アイドルグループ「BiS」のEP『KiLLiNG IDOLS』が2月24日に発売された。昨年からCDやDVDのゲリラリリースを行い、いずれもあっという間に完売。LINE CUBE SHIBUYAでワンマンライブを行うなど、その勢いは止まらないが、メンバーはまだまだ現状に満足していないようだ。2021年2月26日発売の『クイック・ジャパン』vol.154で、メンバーはこう語っている。
トギー 「『ここまで来れてうれしい』という気持ちも大事だけど、満足しちゃったらその先がないので。どんなに大きなステージに立っても『ここじゃ、まだ小さい』とお客さんに思ってもらえるくらいじゃないと」
イトー・ムセンシティ部 「それに4人だけのBiSじゃないから、っていうのがあるよね。一緒に上を目指してくれる人がいるからこそ、誰よりもメンバーが現状に満足しちゃいけない。その考えはライブの規模もそうですし、CDの売り上げについても同じですね」
ライブをやる会場が大きくなっても、慢心することなく上を目指す姿勢は素晴らしい。2月にリリースされたEPは、『KiLLiNG IDOLS』という扇情的なタイトルだが、内容はファンに語りかけるものだ。
チャント 「(EPは)殺伐としたタイトルなんですけど、歌詞は『前を向こうぜ』じゃなくて『前を向けないときもあるよね』と寄り添ってくれるメッセージが強いです。しかもメンバーが作詞した曲も入ってて」
ネオ・トゥリーズ 「(『I ain’t weak maybe..』は)コロナ禍で気持ちがすごい落ち込んでしまって、そのときの本音を全部吐き出しました。正直、当時の自分を救うために書いた曲ではあるんですけど、同じく希望を失った人に寄り添えたらいいなと思います」
チャント 「BiSって大衆性とは真逆のメッセージを送っていると思うんです。世間の風潮と違う考えを持ったら『自分が間違っているのかもしれない』と思いがちですけど、そこを肯定してくれるのがBiSの音楽だと思います」
1月からはワンマンツアーがスタート。3月17日にはWACK所属アーティストによる対バンも予定されているが、トギーはやる気満々のようだ。
トギー 「BiSのことを知らない人にもライブを見てもらえるチャンスなので、もうバチバチに食べちゃうぞって気持ちでいます! 出るのがBiSH、GO TO THE BEDS、Waggなんです。もうね……ガチンコよ! 食べまくりよ! こっちは『KiLLiNG IDOLS』という作品を出すし、ひとり残らず食べまくって、お客さんを全員BiSものにする! 今から気合いメラメラバキバキですよ!」
炎上を恐れて上品に振る舞うアイドルが多いなか、野心をむき出しにするBiSのメンバーたち。アイドルシーンは群雄割拠だが、類稀なハングリー精神を持つ彼女たちなら、きっとのし上がることができそうだ。
◆『クイック・ジャパン』vol.154(2021年2月26日発売/太田出版)
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