昭和から次々と財界人や著名人が飲み込まれてきた「M資金詐欺」をご存知だろうか?
すでに消えたと思われていたM資金詐欺を、平成・令和の今も生業としている詐欺師たちがいる。なぜこんなにも使い古された詐欺の手口に人々が引っかかってしまうのか。“幻”の正体「M資金」を追い続けた藤原良によるノンフィクション『M資金 欲望の地下資産』が、2022年7月26日(火)より順次発売される。
M資金といえば、昭和の詐欺事件で度々浮上した詐欺師の常套句のひとつである。
財界人や著名人をターゲットに、日本やアメリカなどの政府機関関係者と偽った詐欺師がねつ造した資料を使い、「戦後復興のどさくさに紛れて消えた莫大な金額の日本の隠し資産。それを秘密裏に引き出すのでご協力を……」と、もっともらしい説明をして金を出させて消えるというのがM資金を使った詐欺の典型だ。
「今時、財界人が果たしてそんな手垢だらけの手口に引っかかるのだろうか?」
そんな疑念を持ちつつも『M資金』というキーワードに妙な懐かしさを覚えた私は、その人物にM資金詐欺関係者たちへの繋ぎを依頼したのだ。その結果、思いもよらず執筆段階で『現在進行形で起きているM資金詐欺の現状』の数々に遭遇することになった。
『M資金 欲望の地下資産』まえがきより
本書は5パートで構成。第1章では「M資金」の誕生について、第2章では現在も続く令和のM資金詐欺の手口、第3章ではその詐欺師たちの生態を、第4章ではM資金に群がる大手会社などの経済人たち、最終章ではM資金最新の手口や次の“生贄”について語られる。
「自分は騙されないから大丈夫」と思っている方は、「まさか自分が…」とならないよう、詐欺の手口や傾向を本書から知り、備えてみては。なお、M資金関連年表も掲載しており、時系列を確認しながら読むことが可能だ。
『M資金 欲望の地下資産』は2022年7月26日(火)より順次発売。四六判、1,694円(本体1,540円+税)。