2017年に発売され、各メディアで話題となった『文春にバレない密会の方法』(キンマサタカ・著)。多方面でリスクを背負う可能性のある不倫や浮気を、まさにこれから実行しようという人、もしくは既に実行中の人への指南書となっています。本書では「こんな方法があったのか!!」と目からウロコ間違いなしのリスク管理術や密会術を具体的に紹介。ここでは、その一部を特別に公開していきます。(全6回)
今回は、パートナーに対する姿勢と心構えについて、ご紹介します。
罪悪感をコントロールせよ
「浮気に気づいた理由は?」というアンケートを取ると、必ず上位に入る回答がある。それは「配偶者が突然優しくなった」というものである。
浮気をして別の異性に心が向いている最中は、やましさからか、必要以上に優しく振舞ってしまう。その違和感から配偶者が疑いを持つというケースが想像以上に多い。ヤンキーが雨の中で子猫を拾っているシーンのように、人は想定外の優しさが記憶に強く残るものなのだ。
密会する当日、または密会してきたその週末に、これまた必要以上に伴侶や子供に優しくなる。罪悪感に耐えきれず、その埋め合わせをしようという心情なのだろうが、この程度の肝っ玉しか持ち合わせていないならば、最初から密会などすべきではない。
後ろめたさから、普段はしない行動をとり、墓穴を掘って、相手に疑念を抱かせる。これほど勝手な行動はない。
中途半端な偽善は誰も幸せにしない。罪悪感など1ミリも感じないで、堂々としていたほうが、密会はバレない。
「これは運命である」などと自分の立場を正当化できるかが鍵だ。密会を続けるならば、面の皮は少しくらい厚いほうがいいのだ。
家で食事をせよ
食事や酒席を共にすることで、その仲が一気に深まるという研究結果がある。食事の場を共にした相手に対して好意的な感情を抱いた、というデータが実際に多く残されており、「ランチョンテクニック」とも呼ばれ、セールスマンの営業や政治的な会食で使われる実践的な技にもなっている。
人は何かを食べているとき、「おいしい」という快感に支配されて、口の中の感覚に注意が向く。その結果、目の前の相手に対して批判する気持ちが失せる。食事を共にすることは、快楽を共にすることに等しいからだ。
つまり、食事は伴侶の機嫌を維持する最低限の手段なのだ。逆に、せっかく作ってもらった食事を無にすることは、相手の静かな怒りに火をつけることになる。いらぬアラ探しが始まってしまうかもしれない。
夕食は必ず家で食べると決めよう。平日の密会も、食事は軽めに抑える。帰宅したら、妻の作った食事を美味しそうに食べる。きっと、残業が忙しくて、食事をする暇もなかった、と思ってくれることだろう。
「遅くまでお仕事お疲れ様」という労いの言葉がちょっとくすぐったいが我慢してほしい。
* * *
本書『文春にバレない密会の方法』(キンマサタカ・著)では、他にも「途中でタクシー移動を挟め」「子供のお稽古は“書道・そろばん”」「あえてケータイにロックをかけない」などなど、具体的な密会ノウハウを徹底紹介。密会に使えるアプリや、おすすめの密会スポットの紹介、元文春記者によるコラムなども収録しています。
繰り返しになりますが、本書は不倫を推奨するものではありません。間違った方向に進んでしまい悩む人の人生にそっと寄り添う一冊です。
筆者について
フリーライター・編集者。1977年生まれ。出版社勤務後独立して現業。得意分野は肉欲と食欲。週刊誌やWEBで執筆多数。