ギターをはじめた理由/「本田礼生のこもりっぱなし」書籍化記念!お試し読み第4回

『本田礼生のこもりっぱなし』(C)本田礼生/太田出版カルチャー
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俳優・本田礼生さんの初連載「本田礼生のこもりっぱなし」が待望の書籍化!
『CONTINUE』での連載全13回の加筆に加え、書き下ろし3回、未収録のアザーカットと新規撮りおろし写真など、これまでの連載の集大成となる豪華な一冊となっています。
刊行を記念して、OHTABOOKSTANDでは、本書の中から5つのエピソードの一部を抜粋し、特別に公開していきます。(全5回)
今回は、ゲーム以外の新たな趣味について語られた連載第9回の一部をお届けします。

「ACTORS ☆ LEAGUE in Games 2022」で圧倒的なゲームの実力を見せ、チームを優勝に導いた本田さん。最近新たな趣味が増えたとのことで、お話をうかがいました。

本田 あの、ゲームって時間取られますよね(笑)。

──あははは! 気がついたら1日終わってた、みたいなことありますよね(笑)。

本田 まさに『APEX』を1日中、ずーっとやっていた日に、ふと、時間は有限なんだと感じたんですよ。

──同じことを感じることがあります。

本田 何か物を作るとか、何か技術を身につけるとか、何でもいいんだけど、ゲームをしている時間で何かを始めたら1年後にどうなっているのかな? って。それでギターをやってみることにしたんです。

──インドアでできる趣味の中からギターを選んだ理由はありますか?

本田 きっかけは「THE CONVOY SHOW」でご一緒した今村ねずみさんの影響ですね。あと、コンボイの先輩は、ほぼほぼギターが弾けるのでかっこいいって思っていたんです。それと、何かをやりたいっていうふたつの想いがポンっと重なって始めました。どっちかひとつじゃ始めてなかったと思います。

──ゲームの時間の一部をギターの練習にあてるというのも気になりました。

本田 そもそも映画を観る数が減っていたんですよね。それに小説やショートショートも定期的に読んでいたのも読まなくなってて、自分の芝居感とかエンタメ感を構築してたいろいろなものがなくなってるという事実に気づいてしまったんです。

──『APEX』にハマりすぎていた(笑)。

本田 知らぬ間に『APEX』のランクを上げるという目標のために大切なものがなくなっていたみたいな感じに陥っていたのに気づいて、ルールを決めて『APEX』の時間をメチャメチャ減らしました。1年後に『APEX』のランクがプレデターになってるのと、1年後にギターがなんとなく弾けるようになってるのどっちがいいだろうって考えたときに、ギターだと思って。

──意識の変化があったんですね。

本田 かといって別にゲームをやる時間を無駄だとはまったく思っていません。ただ比率の問題ですよね。あまりにもゲームが中心になりすぎていたなと。そしたらまあ見事にギターにハマって、楽しくやっています。

──毎日弾いてるんですか?

本田 はい。お風呂出たあとにじっくり練習することが多いですね。でも時間を決めているわけではなく弾きたいときに弾いてます。別に弾かない日があってもいいじゃん、くらいの気持ちでやってます。でもいまは楽しくて触っちゃうんですよね~。

──独学ですか?

本田 独学です。何かの曲が弾きたいわけでもなくて、ただただ音が鳴ることが楽しいです。もちろん曲のコードを見て練習するんですけど、途中で飽きたら違う曲の違うフレーズ弾いて、っていうのをずっと繰り返しています。

──熱中してますね(笑)。

本田 仕事や舞台のときと、ギターを弾いてるときとまったく脳の使い方が違うんですよ。そこも楽しいです。ゲームとちょっと近いところがありますね。何年か経って見せられるぐらい上手くなってたらいいですけど、それを目標にやってはいない、って感じです。目標にすると仕事になってしまうから何も考えずに楽しめなくなりそうで。

──ギターに「スイカ」って名前をつけてらっしゃるんですよね。

本田 コンボイの先輩方からギターの話をいっぱい聞いていたらなんか物っていう感じがあんまりなくて。生き物とまではいわないですけど、人に近い感じがしたので名前をつけようって思って、パッと浮かんだスイカにしました。

──そういうことだったんですね。

本田 「よし、お前はスイカだ」って感じではなくて、なんとなくそういう風になったっていう感じですね。本当に軽い気持ちで。

──ギターを始めるにあたって、アドバイスとか受けたんですか?

本田 「もう1回あの音が聴きたいと思うギターを買え」とか。

──音に個体差があるんですか?

本田 メチャメチャあります! 見に行っていっぱい弾かせてもらいましたけど持った感触も、弾き心地も、音色はもちろん、全部違うんです。で、僕に一番フィットしたのがスイカでした。

──自分の1本に出会うことができたんですね。

本田 あと「中古のギターは前の持ち主の想いを継いでまた鳴らしてあげようという気持ちになる」「新しいギターは持ち主がたくさん弾くことでその人らしい良い音が鳴るようになる」という話も聞きました。

──素敵なお話ですね。

本田 僕が持ってるギターはYairi Guitarっていうメーカーのギターなんですけど、聞いた話によると、完成後にホールに並べて24時間モーツァルトを爆音で聴かせてから出荷するらしいんですよ。

──モーツァルトって爆音で聴くものでしたっけ(笑)。

本田 これは科学的に言うと、木でできているので夏と冬とで形が変わるんですよ。夏は湿気でちょっと反って、冬になって乾燥するとちょっと縮むらしいです。だから鳴りが変わるわけですよね、1年間で。もうその時点で生き物みたいで面白いじゃないですか。

『本田礼生のこもりっぱなし』(C)本田礼生/太田出版
『本田礼生のこもりっぱなし』より

※このインタビューの全文は、『本田礼生のこもりっぱなし』(2023年3月17日(金)発売)にてお読みいただけます。

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本書では、本記事を含めた連載全13回の他、書き下ろし3回を収録。【通常版】に加え、動画(全3種よりランダム)と、ポストカード付きの【NFT版】、特製フレークシール付きの【Amazon限定版】の3バージョンで、好評発売中です。
詳しくは、こちらの記事、もしくは太田出版公式サイト(『本田礼生のこもりっぱなし』特製POPを配布中!)をご確認ください。

『本田礼生のこもりっぱなし』【通常版】
  1. ゲームに対する姿勢/「本田礼生のこもりっぱなし」書籍化記念!お試し読み第1回
  2. ダンスと『鉄拳』を極めた青春時代/「本田礼生のこもりっぱなし」書籍化記念!お試し読み第2回
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