日常的に目にしている交通信号機。青は進め、黄色は注意、赤は止まれ…と、ルールは身についていますが、色の並び順はどうなっていたでしょうか?
4月27日に発売された『大人になっても困らない 日本―東京 50の意外な地理・歴史』(吹浦忠正・著)では、「日本の最東端はどこ?」「日本で唯一、砂漠があるのはどこ?」など、答えられそうで答えられない日本と東京の知識を50問のクイズ形式で紹介しています。
ここでは、本書の中から特別にその一部をご紹介します。(全6回)
Q.横型の交通信号機の正しい色の左からの並び順は?
①赤・黄・青
②青・黄・赤
③特に決まっていない
日本の交通信号機は横並びなら左から青・黄・赤、縦なら上から赤・黄・青の配色になっている。
道路標識や信号は、国や地域ごとの道路交通の発達とともに作り上げられ、大きく分けると記号で表示する欧州方式と、言葉で表示するアメリカ方式に分かれる。ヨーロッパの道路網は国境を超えて形成されているため、特定の言語に依拠しない表示方式が必要だった。
1949年にジュネーブで開催された国連経済社会理事会の、「内国運輸委員会道路小委員会」で道路標識の世界統一化案が提唱された。これが1952年に国連総会で採択され、翌年には参加68か国により「国際連合道路標識(道路標識及び信号に関する議定書)」が定められた。そして1968年の国連道路交通会議で、世界的な基準となる「道路標識及び信号に関するウィーン条約」が署名されている。
しかし、日本、アメリカ、中国などは今日まで条約に参加せず、独自に交通信号機や標識を定めている。ただし日本でも1963年に、国際連合道路標識を取り入れる形で道路標識、区画線及び道路標示に関する命令(標識令)を改正している。
最近は省電力のLED信号機への切り替えが進んでいるが、ドライブレコーダーによってはLEDの点滅周期と動画のコマが同期してしまい、青信号が録画されないケースもあるという。しっかりと徐行をして、くれぐれも事故のないように。
A.…… ②
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本書『大人になっても困らない 日本―東京 50の意外な地理・歴史』では、他にも、社会で意外と役に立つ、日本と東京の「なるほど!」な知識を50問のクイズ形式で紹介しています。
吹浦忠正・著『大人になっても困らない 日本―東京 50の意外な地理・歴史』(太田出版刊)は全国の書店・各通販サイトで発売中です。また、電子書籍版も各配信サイトにて配信中。新生活や行楽シーズンのおともに、日本と東京をもっと知りたいという人におススメの一冊となっています。
筆者について
ふきうら・ただまさ 1941年秋田市生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科修了後、大森実国際問題研究所主任研究員、その後、国際赤十字海外駐在代表として、東パキスタン(現バングラデシュ)やベトナムに駐在。歴代首相のご意見番と言われた末次一郎に師事。難民を助ける会副会長(現・特別顧問)、埼玉県立大学教授(政治学)、東京都生涯学習審議会委員などを経て、現在、社会福祉法人さぽうと21会長、NPO法人ユーラシア21研究所理事長、NPO法人国旗・国歌研究協会共同代表、内閣府オリ・パラ・ホストタウン国旗講座講師、法務省難民審査参与員、パシフィック・フィルハーモニア東京理事など。1964年のオリンピック東京大会組織委員会をはじめ、札幌、長野、東京2020の各オリンピックでは、国旗や儀典に関わる。2018年度からの「道徳」教科書(日文教)で「東京オリンピック 国旗にこめられた思い」の主人公として登場中。214週にわたり週刊新潮で「オリンピック・トリビア」を連載。著作は70冊以上、テレビ出演多数。