こんな地獄を乗り越えないと就職できない世の中、間違ってないか――?
『就活闘争 20XX』太田出版案内文より
佐川恭一による新作小説『就活闘争 20XX』。当サイトでも試し読みを公開中の本作は、生死を賭けた選考に挑む就活生たちの悲劇を描き、現代の新卒一括採用システムに一石を投じる。就職活動を控えた、または真っ只中にいる現役学生たちからの熱いコメントが多数届いた。ここにご紹介します!
本小説は荒唐無稽な就活闘争を描いているようで、現実の就活、あるいは就活にいたる高学歴の人生をすべて描いていた。すなわち、私たちを描いているということである。私は太田のように、レールの上をなんとなく歩いてそこに至る努力はさしてしなかったと自認する一方、レールをなめらかに進んできたことへの自負を強烈に内面化している。つまり、学歴というほぼ唯一といえる美点を何よりも愛しているのである。より具体的にいえば、高校時代は東京一工国医と叫びながら過ごして、東大のなかで一番点数が低いからという理由で文三に入った。そして、なんとなく就活ガチるのってダサいよねみたいな顔をしながら、でも現代のZ社(外銀、戦コン、総合商社、総合デベロッパー、外資IT、PE、VC、外資マーケ)に入ればモテるかもしれないという理由でケース面接とかインターンをしまくり、海外留学とか学生起業とかしているすごい肩書きの同世代とばちばちに戦って、まさに明日から私はZ社で働くのである。4月1日以降、とあるZ社で新卒社会人生活を迎える私が、学生生活の最後にこの小説に出会えたことは自分の人生を好転させうる慶福であった。
(Y・Nさん/大学4年生)
絶賛就活中の身でありながら、主人公の太田のように苦しみつつも社会へ立ち向かい就活と闘わんとする友を遠く薄目でしか見ないようにしている私にとって、身が引き千切られる思いで読まざるを得なかった。就活のためにわざわざ買った時計を眺めるシーンなど、胸がつぶれる思いだ。就活の本質は過去、現在、未来となんら変わらない。ただ、変わらないのは、目の前の困難に悩み、闘争/逃走するか、自分の選択を信じ行動することが重要であるという点だ。佐川恭一は、過去就活生だった人、現在就活生の人、これから就活生になる人、それぞれに教訓を与えてくれる。
(R・Sさん/大学3年生)
太田はZ社の恐怖によって競争を生み出し、発展を促す方法を否定した。個人が「正義」について思考しなければならないこの状況を、本書では暴力的な就活という非現実にのせて、アクション映画を観ているように駆け抜けながら読むことができる。そのなかでしっかり現代社会の問題点と歪な構造が描かれており、正義とは何かを考えさせられる作品だった。
(T・Hさん/高校1年生)
ハチャメチャな設定だからこそ浮き彫りになる現実がある。普段私たちが薄々感じている現代社会への違和感が、超展開のストーリーと共に次々と言語化されていく。ただただ読んでいてワクワクする、ページを捲る手が止まらない、そんな読書体験は滅多にない。
(K・Yさん/大学院1年生)
現在進行形でモラトリアムに包まれ、あまつさえその期間を引き延ばし、物語序盤の太田のような逃げの生き方をしている私は、心の深く柔らかい部分をえぐられるような気分になった。Z社の就活は100倍誇張されていたが、現実の就職活動もきっと本質は同じようなものだ。学生同士が内定のためにお互いを蹴落としあう、血で血を洗う闘争である。私は本作が多くのダメ大学生達の起爆剤となって、その背中を強烈な爆風で就活の世界へ後押ししてくれることを確信している。
(T・Uさん/大学4年生)
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本書が、就職活動の強い後押しになることを願います。就活を乗り切った社会人にも刺激的な作品であることは間違いありません。『就活闘争 20XX』は全国書店・通販サイトで発売中。また、本書表紙イラストを使用したオリジナルグッズバンダナもSUZURIで発売が開始。ハチマキのように額に巻いてエントリーシートを書くもよし、面接会場で広げて違いを見せつけるもよし。気合いの必要な各シーンにどうぞお使い下さい!