夫を突然襲った脳卒中と、その後遺症についてつづった『夫が脳で倒れた』(三澤慶子/太田出版)が、4月25日に発売された。
この本は、働き盛りの夫が突然脳卒中に襲われ、半身の後遺症が残った体験を、妻の視点からつづったものだ。何の知識もなかった著者は、手探りで夫の復帰までを「戦う」ことに──
〈反論のしようもない夫には気の毒だし何も解決しないんだけれど、当事者だけがツラいんじゃなく私だってツラくなるんだってことを夫に分かってもらいたくなる。戦ってる夫を「サポートしてる」とか「見守ってる」って立場だと思っていると、行き場のないツラさが湧いてくる。でもそうじゃない。夫と「一緒になって戦ってる」ってことでもない。家族は家族でそれぞれの持ち場で「個人で戦ってる」ってこと〉(本文より)
葛藤、失敗、発見……当事者だけが辛いわけではなく、妻の視点からの「戦い」や「発見」をつづったドタバタ体験記となっている。
著者の三澤はライターで、SSコミュニケーションズ(現・株式会社KADOKAWA)にてエンタテインメント誌や金融情報誌などの雑誌編集に携わった後、映像製作会社を経てフリーランスに。映画『ココニイルコト』『夜のピクニック』『天国はまだ遠く』などの脚本を手がけた。右半身に麻痺を負った夫の仕事復帰の際、片手で出し入れできるビジネスリュックが見つけられなかったことから、片手仕様リュック「TOKYO BACKTOTE」 を自ら考案し、クラウドファンディングの成功により、制作を実現させた。
同書は全6章で構成されており、発症、麻痺の悪化、セカンドオピニオン、リハビリテーション病院選び、リハビリの試行錯誤、新たな病気の発症、仕事復帰など、貴重な経験が記されており、エピローグとして夫へのインタビューも収録。『夫が脳で倒れた』(三澤慶子/太田出版)は2019年4月25日発売。1600円+税。
【関連リンク】
・『夫が脳で倒れたら』-太田出版
【関連記事】
・「世界一遅れた中絶手術」 なぜ日本の医療は女性に優しくないのか?
・AIで病院が大変貌 医療ビッグデータとサービス業が融合へ
・推定200万人!高齢化するひきこもり なんとかしないと日本は滅ぶ!?
・昼夜逆転で体内時計が乱れると高血圧になりやすくなることが判明