12月12日発売の雑誌『ケトル』は、特集のテーマとして“テレビ東京”をピックアップ。「テレビ東京が大好き!」と題し、「TVチャンピオン」「モヤモヤさまぁ~ず2」「YOUは何しに日本へ?」「ASAYAN」「出没!アド街ック天国」「愛の貧乏脱出大作戦」「開運!なんでも鑑定団」ほか、新旧織り交ぜた“テレ東”の人気番組にまつわる情報や、関係者へのインタビューを紹介している。
今回取り上げるのは、テレ東の草創期に放送されていた「アイデア買います! ただいま特許出願中」。今から50年も前に、素人参加番組の原点とも言える番組が放送されていました。
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フェイスブックやアマゾン、グーグルなど、米シリコンバレーには優れたアイデアをエンジェル投資家が支援することで、世界を席巻するまでに成長した企業が多数あります。この「アイデアひとつで世界を変える!」という夢は、アメリカ中にスタートアップのブームを巻き起こしましたが、そのはるか前の1965年の日本で、一般人参加の「アイデア募集番組」が大流行したことをご存知でしょうか?
それがテレビ東京の前身である東京12チャンネルで放送されていたバラエティ番組「アイデア買います! ただいま特許出願中」です。「TVチャンピオン」「開運! なんでも鑑定団」など、テレ東の素人参加番組の原点となった同番組は、開局翌年にスタート。70年10月まで続きました。
内容は、視聴者が考えた発明品の数々を紹介し、審査員と観客がその場で審査するというもの。発明者による3分間のプレゼンを経て、有望とされたアイデアは実際に特許を出願していました。なかには企業が商品化し、大人気となった発明品も少なくなかったそうです。
番組に登場した優秀作品をまとめた書籍『アイディア買います売ります』(絶版)によると、放送開始から2年ほどで稼いだ発明品の特許料は累計1億6000万円。現在の価値に換算すると、物価指数比較で約2~3倍強(日本銀行の調査による企業物価指数、総務省の調査による消費者物価指数を参照)ですから、約5億円と考えられます。
審査員の顔ぶれも豪華でした。雑誌「コンシューマー」の編集長で広告マンの片山龍二さんがメイン司会を務め、落語家の柳家金語楼さんが審査委員長。発明を実用性とユニークさの両面から審査していました。さらに番組の“本気度”を示すかのように、特許庁の審査部長に加え、元科学技術庁長官の中曽根康弘さんも審査員に名を連ねていたのです。
◆ケトル VOL.22(2014年12月12日発売)
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