「死なない家」の住民を記録した映画

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「人間は死なない」と断言した男と、「死なない家」に住んだ人々を記録した映画『死なない子供たち』が、全国公開に先がけて、8月31日に金沢21世紀美術館で上映される。

この作品は、「人間は死なない」と断言した美術家・荒川修作が東京都三鷹市に建てた「三鷹天命反転住宅」の住民たちを撮影したドキュメンタリー映画。9戸の集合住宅からなる「三鷹天命反転住宅」は、「世界初の『死なないための住宅』」をコンセプトに、「14色で彩られたカラフルな内外装」「凹凸のある床」「球体の部屋」など、既存の住宅の概念を大きく打ち破ったデザインが特徴であり、「ここに住むと身体の潜在能力が引き出され、人間は死ななくなる」(公式HPより)という。

この住宅の設計者・荒川修作は1936年に愛知県で生まれ、61年にニューヨークに移住し、オブジェ、絵画などの制作で世界的な評価を獲得。近年は自らを「哲学、美術、科学を統合する『コーデノロジスト』」と呼び、「三鷹天命反転住宅」や、岐阜県養老町の「養老天命反転地」などに代表される、建築領域での活動を中心としていた。「人間は死なない」と断言し、死に抵抗してきた荒川だが、今年5月に73歳で死亡した。

金沢21世紀美術館での特別上映は、8月31日の14時~、18時半~の2回、学芸員によるプレトークの後に行われる。また、8月13日深夜(14日0時~)には、NHK-FMで放送される『エレクトロニカの世界 ~渋谷慶一郎の電子音楽マトリックス~』で、作曲家・渋谷慶一郎が『死なない子供たち』のために書き下ろした新曲が演奏されるので、そちらも合わせてお楽しみ頂きたい。

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映画「死なない子供たち」
金沢21世紀美術館:特別上映『死なない子供たち』
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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。