不遇の作家の遺作が函館市民の尽力で映画に

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故・佐藤泰志の遺作『海炭市叙景』が映画化され、明日27日から彼の故郷・函館で先行上映される。

佐藤泰志は1949年、函館生まれの作家。81年「きみの鳥はうたえる」で芥川賞候補に選ばれたのを皮切りに、都合5度芥川賞候補に選ばれた彼だが、ついに受賞には至らぬまま、90年に41歳の若さで自ら命を絶った。今回映画化された『海炭市叙景』は、その佐藤の絶筆となる未完の作品。函館を思わせる架空の都市「海炭市」を舞台に、そこに生きる様々な事情を抱えた老若男女が織りなす18本の短編小説が収められている。

今回の映画化は、「函館生まれの作家による、函館をモデルにした小説を、函館ロケで映画に」「今の函館の町並みを映像として記録し、後世への記憶に残す」などを目標に、地元有志の尽力により実現。09年に製作実行委員会が設立されると、一般募金だけでも1000万円以上を集め、およそ2年にもおよぶ函館市民の努力により、今回の上映へと至った。

映画『海炭市叙景』は、地元北海道出身の熊切和嘉を監督に迎え、谷村美月、竹原ピストル、加瀬亮、南果歩、小林薫らが出演。明日27日(土)から函館シネマアイリスで先行公開され、12月18日(土)から渋谷ユーロスペースで公開される。

(画像は原作のもの)

※このページの画像はサイトのスクリーンショットです

【関連リンク】
映画「海炭市叙景」公式サイト
佐藤泰志-Amazon.co.jp

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。