あなたも準備が必要? ノーベル賞の選考スケジュールはこうなっている

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2012年を振り返った時、嬉しいニュースとして真っ先に頭に浮かぶのが、京都大学の山中伸弥教授のノーベル賞受賞。どんな組織や臓器の細胞にもなれる性質を持つ「iPS細胞」の作成に初めて成功した山中教授は、先日ストックホルムで行われた授賞式に出席し、名誉あるメダルを受け取ったが、そもそもノーベル賞はどのようにして決められるのだろうか? 

自然科学の3賞は、スウェーデン王立科学アカデミー(物理学、化学)と、カロリンスカ研究所(生理学・医学)内のノーベル賞委員会によって決められる。選考は、9月に翌年の候補者の推薦依頼状を、委員会が選ぶ推薦人に発送する作業からスタート。依頼人以外からの推薦や自薦は一切不可能で、過去のノーベル賞受賞だけが終身推薦資格を持つことができる。

そして、3~5月に予備選抜、6~8月に最終推薦候補者についての意見書が作られ、9月に最終候補者リストを上層部に提出。10月に多数決投票で決定すると、発表は即刻電話で伝えられる。推薦過程や選考過程は、受賞から50年間極秘とされる決まりで、選考過程で出た反対意見は一切記録しないことになっている。

すべての選考にかかる経費は合計3億5000万円で、1つの賞(賞金約1億3000万円)に対し、約7000万円の経費がかかっている計算。授賞式には出なくても大丈夫だが、賞金は受賞翌年の10月1日までに受け取らないと、ノーベル財団の基金に戻されてしまうそうだ。

◆ケトルVOL.10 (2012年12月15日発売/太田出版)

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。