奥田愛基「SEALDsをどう解散するかっていうことについてはすごく考えます」

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2015年、1人の無名の若者が、「SEALDs」という活動によってにわかに脚光を浴びた。その若者の名は、「SEALDs=Students Emergency Action for Liberal Democracy–s=自由と民主主義のための学生緊急行動」の創設者の奥田愛基。昨年の安保法制を巡る議論でSEALDsは存在感を発揮したが、安保議論が一段落してしまった今、彼らはどこに向かうのか? 2月23日発売の『クイック・ジャパン』vol.124で、奥田はこのように語っている。

「メンバーはみんな次の一手をどうするか、悩んでると思いますよ。やるべきことはやっているんだけど、どうもそれが結果に結びつかない。(中略)最近のTVなんかでの、評論家のSEALDsについてのコメントも、『まあ、昨夏は良いことをしたとは思いますけど、これから先が問われますよね』とか、『おまえ誰だよ!?』みたいな(笑)。『そりゃそうだけど、おまえも国会前来てただろ』っていう」

SEALDsへの注目度が上がることで、「ハードルがどんどん上がっている」「今はなにを行ってもアンチから批判とも言えない批判がくる」状態になっていると語る奥田。彼らは名前に「学生緊急行動」と謳っているわけだが、そのあたりの“折り合い”はどうつけるのだろう?

「だからSEALDsをどう解散するかっていうことについてはすごく考えますよ。香港の学民思潮(香港の学生運動組織)が雨傘革命のあとに選んだのは、政治団体になって、政治家を輩出し、メンバーを雇用し、直接的に香港の政治を変えるっていう方法で。あるいは、周庭さん(学民思潮のメンバー)がタレントしてメッセージを発信していく」

奥田は大学院へ進もうとしているが、他のSEALDsのメンバーは、「就活で困っているヤツもいれば、全然余裕で大企業に受かっちゃったヤツもいて、いろいろ」なのだそう。日本では、社会運動には冷たい視線が注がれがちだが、奥田は、

「日本って、起業家は社会運動に対してネガティブなイメージを持っているし、逆に運動家は起業に対してネガティブなイメージを持っているじゃないですか。でも、反原発運動だって、ドイツとか、新しい電気の作り方、売り方を模索してたりするんですよね。みんながそうならなくてもいいけど、もっと、ビジネスライクな人たちが出てきてもいいし、社会的なことをする起業家がもっといてもいいんじゃないですかね」

と、語っている。

◆『クイック・ジャパン』vol.124(2016年2月23日発売/太田出版)

【関連リンク】
『クイック・ジャパン』vol.124

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。