今もしばしば語られる「バブル」からはや四半世紀。世の不景気ムードとは裏腹に、都内の不動産市場では、東京五輪への期待感、外国人需要の増加、相続税対策などにより“バブル”と呼んでも差し支えないほどの状況が続いています。一般的に「バブル」といえば、株や不動産取引のイメージですが、実は世界初のバブルは意外にも「チューリップの売買」で起きました。
その舞台となったのは16~17世紀にかけてのオランダ。チューリップがトルコからオランダに初めて輸入されたのは、1593年です。ヨーロッパには珍しい大きく色鮮やかに咲く花であったことから、チューリップは植物学者や上流階級の間でブームに。そのあまりの人気で価値が上がりすぎ、幸か不幸かチューリップは投機の対象となっていきました。
花屋を仲介役としたこの競売は、想像を超えるほど過熱。なんとチューリップの球根1つと300フラン(=約3億円)もの価値があるビール醸造所を交換する猛者まで現れる始末。熱狂が収まる1637年までに、1つの村だけで1000万回以上取引きが行われたそうです。
驚きなのは、当時の参加者たちが単純に「儲かる」という理由のみで、チューリップの取引に熱中していたこと。チューリップが「株券」、花屋が「証券会社」となって起きたのが、世界初のバブルだったのです。
◆ケトル VOL.30(2016年4月14日発売)
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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。