半世紀以上の歴史を持つ『ANN』 皇族がパーソナリティになったことも

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1967年にスタートし、いまや深夜ラジオの代名詞となった『オールナイトニッポン』。50年以上に及ぶ歴史の中では、誰もが驚くようなサプライズがいくつも残されています。

東芝レコード(現・東芝EMI)の名物ディレクターだった渋谷森久が“毛利久”という変名で担当していた水曜ANNの「あなただけのイメージソングを作ります」というコーナーに、長崎県立五島高等学校奈留分校の女子生徒から「校歌を作ってほしい」というハガキが寄せられました。

それに応えたのが、“ユーミン”こと松任谷由実(当時は荒井由実)。彼女が作詞作曲した『瞳を閉じて』という曲が贈られ、1976年に同校は長崎県立奈留高等学校として独立。同曲は愛唱歌として正式に制定され、今も地元の人々から愛されています。

ユーミンはリスナーを驚かせましたが、大物歌手がパーソナリティを驚かせたこともあります。80年代にテレビでもラジオでもその暴れん坊ぶりを発揮していたとんねるずが、ANNでドッキリを仕掛けられました。それは美空ひばりのサプライズ出演。

スタジオのガラスの向こうに歌謡界の大御所が現れた瞬間の2人の動揺ぶりは、ファンの間で語り草になったほどでした。彼らのファンだった息子の誕生会にゲストで来てくれたことに対する恩返しのノーギャラ出演で、ここから両者の絆は生まれ、「タカ・ノリ」「お嬢」と呼び合う間柄になりました。

50年に及ぶ歴史の中でさまざまなジャンルの人がパーソナリティを担当してきたANNでも、1975年10月に登場したスペシャルパーソナリティは極めて異例の人物でした。なんと本物の皇族(皇位継承権第7位)である、三笠宮寛仁親王殿下が出演したのです。当時“ヒゲの殿下”として国民から慕われていた殿下は、たった1人で2時間の生放送をこなし、初恋談議や皇室の紹介、さらにはギターの弾き語りまで披露しました。

◆ケトルVOL.45(2018年10月12日発売)

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※この記事は、「太田出版ケトルニュース」に当時掲載した内容を当サイトに移設したものです。

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