日常的な風景をやわらかく切り取ることを得意とし、ポップな歌風で人気を得て、現代短歌を牽引する歌人・岡野大嗣による新作連載。最近のあなたの「うれしい近況」は何ですか? 特別、SNSで報告するほどではないけれど、友人には話しておきたい。そんな岡野大嗣の「うれしい近況」。カフェの隣の席で話を聞くように、ゆったりとした気持ちでお楽しみください。
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次回の更新は、5月10日(水)17時の予定。
<イベント案内>
▽久保勇貴×岡野大嗣トークイベント 「宇宙へ旅する詩的世界」
日時:2023年04月27日(木) 19:00
場所:オンライン/代官山 蔦屋書店
宇宙工学研究者・久保勇貴さんの初の著書『ワンルームから宇宙をのぞく』が刊行されました。久保さんは本書で、理系も文系も関係なく、優しく隣で寄り添って語りかけるように宇宙の話をしてくれます。そして時に、愛や哲学や、生活のままならなさのことも。
そんな本書に興味を持ってくださったのが、岡野大嗣さん。書名に惹かれ、自ら予約購入してくださったとか。久保さんの日常と宇宙をダイナミックに結びつける文章には、現代短歌のような心地よい「飛躍」があるように思われます。
そこで、宇宙エッセイと短歌、フィールドは異なりますが、日常の何気ないできごとや風景を独自の視点でとらえ、言語化してきたという共通点のあるお二人に、見知らぬ「遠い」誰かに向けて表現活動をすることについて、じっくり語っていただきます。
オンライン視聴も可能です。奮ってご参加ください。
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【お知らせ】
当連載を収録した書籍『うれしい近況』が待望の刊行! 全国書店やAmazonなどの通販サイト、電子ブックストアにて好評発売中です。
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筆者について
おかの・だいじ。歌人。2014年に第1歌集『サイレンと犀』、19年に第2歌集『たやすみなさい』(ともに書肆侃侃房)を刊行。18年、木下龍也との共著歌集『玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ』、19年に谷川俊太郎と木下龍也との詩と短歌の連詩による共著『今日は誰にも愛されたかった』、21年に第3歌集『音楽』(ともにナナロク社)を刊行。21年、がん経験者による歌集『黒い雲と白い雲との境目にグレーではない光が見える』(左右社)を監修した。関西の月刊誌「MeetsRegional」で「レッツ短歌!」 連載中。 反転フラップ式案内表示機と航空障害灯をこよなく愛する。