日常的な風景をやわらかく切り取ることを得意とし、ポップな歌風で人気を得て、現代短歌を牽引する歌人・岡野大嗣による新作連載。最近のあなたの「うれしい近況」は何ですか? 特別、SNSで報告するほどではないけれど、友人には話しておきたい。そんな岡野大嗣の「うれしい近況」。カフェの隣の席で話を聞くように、ゆったりとした気持ちでお楽しみください。
![あなたとの電話をラジオと呼んでいた私書箱に死があふれる夜は 食券で迷ったときは左上、みたいになぐさめられてうれしい たくさんのmで芝生を描いたから棒人間でねむりませんか 誰だろう毛布をかけてくれたのは わからないからしあわせだった ボサノバの流れる店にいるときのつい空中を見ている時間](https://ohtabookstand.com/cms/wp-content/uploads/ureshii_tankapicture_pc_01a-1-572x800.jpg)
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![言いかけてやめてやっぱり最後まで話してくれた うなずきながら ロボットのように涙が いつぶりの有観客の有にまぎれて うれしくてさびしい副詞〈たちまち〉はライブや虹の寿命のための いきのびる Singer/Songwriter のニュアンスで朝/夜をむかえて 鳴らさずに鳴らすアコースティックギター こころにふれるならそのように](https://ohtabookstand.com/cms/wp-content/uploads/ureshii_tankapicture_pc_01b-1-565x800.jpg)
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次回の更新は、2月22日(水)予定。
【お知らせ】
当連載を収録した書籍『うれしい近況』が待望の刊行! 全国書店やAmazonなどの通販サイト、電子ブックストアにて好評発売中です。
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うれしい近況 - 太田出版
【お試し読みあり】How are you? 小さな暮らしが歌になる 岡野大嗣 第4歌集「うれしい近況」 誰だろう毛布をかけてくれたのは わからないからしあわせだった ◆サイン本 ...岡野大嗣著『うれしい近況』作品案内。/ISBN:9784778318949、2023年10月04日搬入発売。
筆者について
おかの・だいじ。歌人。2014年に第1歌集『サイレンと犀』、19年に第2歌集『たやすみなさい』(ともに書肆侃侃房)を刊行。18年、木下龍也との共著歌集『玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ』、19年に谷川俊太郎と木下龍也との詩と短歌の連詩による共著『今日は誰にも愛されたかった』、21年に第3歌集『音楽』(ともにナナロク社)を刊行。21年、がん経験者による歌集『黒い雲と白い雲との境目にグレーではない光が見える』(左右社)を監修した。関西の月刊誌「MeetsRegional」で「レッツ短歌!」 連載中。 反転フラップ式案内表示機と航空障害灯をこよなく愛する。