ミュージアムで迷子になる
第8回

カルチャーが再生するアフロ=カリブ系イギリス人の街と歴史――ブリクストンのブラック・カルチュラル・アーカイブス

学び
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ミュージアム研究者・小森真樹さんが2024年5月から11ヶ月かけて、ヨーロッパとアメリカなど世界各地のミュージアムを対象に行うフィールドワークをもとにした連載「ミュージアムで迷子になる」。

古代から現代までの美術品、考古標本、動物や植物、はては人体など、さまざまなものが収集・展示されるミュージアムからは、思いがけない社会や歴史の姿が見えてくるかもしれません。

 東京からロンドンへ引っ越したのが五月。ブリクストンの宿は二つ目だ。半年ほど単身で住むので色々な地区を見てみようと移り住んでいる。

 ロンドンは物価が異様に高いことで有名だ。東京なら23区にあたる中央部では、単身ではフラットシェアをする以外に選択肢がないほど住宅市場が逼迫している。今の宿の契約終了まで一週間を切ったが、まだ家が見つからない。一軒目と二軒目のこの家は、契約に煩雑な手続きもなく物件を見つけやすいAirbnbで借りた。

 ひと月以上の契約しか受付けない上に非常に割高なこの物件は、ハウスシェアビジネスが運営しているらしい。見た目にはファンシーな家具はおもちゃのようで、裏返すとすべてIKEAとロゴがある。人工芝と造花のグリーンがつくりもの感を高める。フラットメイトにも、良い家を探すために滞在している“つなぎ”の人が多い。ロンドンで良い住まいを見つけるのはめちゃめちゃむずいと、皆が口を揃えて言う。

 引っ越しておよそひと月が過ぎた。買い物にも交通にも慣れ、夜は避けたいスケッチー(怪しげ)な通りはここだとか、この街で住まうための経験知もついた。

ウィンドラッシュ広場。読書をしたりチェスをしたり、おしゃべりしたり。立っていたり、座っていたり、寝転んでいたり。

 いつも通り、ブリクストン駅前のウィンドラッシュ広場にはレゲエが爆音で流れている。路上で暮らしているいつも見かける人たちは、とくに踊っているとかでなく、ただのんびりしたりおしゃべりしたり、ビールを飲んだりしている。何かの薬物なのか心の病か、明らかに様子がおかしい人もときどき見かける。

 大きなスタンドスピーカーを二つ縦置きにしてターンテーブルをつないだ簡易サウンドシステムのようなブースは、ハリケーンペリルがジャマイカにもたらした被害のための寄付を募るものだった。隣では食料配布が始まり人々が列をなす。ソルトフィッシュ(干し魚)か何かの煮込みでバスマティライスの良い香りがしてくる。今日はユーロリーグのファイナルで、イングランドのユニフォームを着た人々が大挙してパブやクラブの方向へ向かっている。

ブリクストンの文化的再生――ブラック・カルチュラル・アーカイブス

 街を代表する黒人文化博物館ブラック・カルチュラル・アーカイブスはこの広場に隣接している。その建築は、1810年頃に周辺地区が整備されて以来、邸宅、寄宿学校、ハイヤー配車会社などに使われてきた美しいマンション(戸建ての家)だ。

 1980年代サッチャリズムの新自由主義的政策によってブリクストンが酷く荒廃したことで空き家となっていたが、90年代にはランベス区議会が再建に着手し、美しい石灰石建築をリノベーションして2014年に博物館としてオープンさせた。

 「つい15年ほど前までここはヨハネスブルクと同じような危険地区だった。」ここで生まれ育ったジャマイカからの移民三世の言葉だ。今ではすっかりナイトクラブを楽しむ街として人気のブリクストンだが、第二次大戦後ジャマイカなどからのアフロ=カリブ系移民の文化を資源に、荒廃から立ち直ったという歴史がある。このミュージアムは、文化による街の再生を象徴する場所なのだ。

 実はイギリス政府が主導した移民政策には差別的な意図があった。アフロ=カリブ系イギリス人たちはその被害者であったことが近年発覚して大問題となった。ブリクストンは、他の誰かの幸せのために犠牲とされていたのである。ミュージアムはこの被害の歴史を記憶しつつ、同時に文化と芸術によってブリクストンを再生する拠り所になっている。以下では同館で開催された音楽プレーヤー付きの家具「レディオグラム」の展示と、アートによるメンタルヘルスの展示を見ながらこの足跡をひもといていこう。

レゲエの“親”となった文化家具「レディオグラム」

 レディオグラムとは、ラジオとレコードプレーヤーをひとつのキャビネットに収めたもので、20世紀半ばラジオ放送とレコードの両方を楽しめるスタイリッシュな家電として人気を博した。家庭での豪華な娯楽であり、インテリア家具として所有者のステータスを高める機能も果たした。本展は、レトロな魅力も感じるレディオグラムの持つ文化的・社会的な意味について紹介するものだ[1]。

レディオグラムの例。
ボトル入りのジュースが普及した頃パイナップルはカリブ・ルーツのアイコンとなった。
果物や金魚など陶器は定番のデコレーション

 この文化家具は、「ウィンドラッシュ世代」の移民の民族的結束を強めると同時に、レゲエなど後の音楽スタイルの登場を技術面で支え、現在に続く英国のハウス・パーティ文化の一翼を担った。

 ウィンドラッシュ世代とは、1948年から1971年の間にイギリスに移民してきたカリブ海系イギリス人のことだ。第二次世界大戦後の労働力不足を埋めるために英国政府は政策として彼らを受け入れた。その多くは医療、交通、建設などの公共サービスで働き、文字通り現代英国社会の基礎を支えてきた。その名は、最初の移民船エンパイア・ウィンドラッシュ号にちなんだものである。

 ウィンドラッシュ世代は現代イギリス文化に深い影響を与えた。とくにミュージック、アート、フードカルチャーなどにおいては多様性の起爆力であるといえる。ハウスパーティの装置レディオグラムは、音楽面で多大な貢献を果たしてきた。

 若い学生に車椅子を押されて入ってきた初老の女性に展示で出会った。近所に住むエンプレスさんはまさにウィンドラッシュ世代の当人だ。若人が1960年代当時の話を聴かせてもらおうという趣旨らしい。僕も便乗して話を聴く。最高のギャラリートークだ。

 戦後多くのパブやクラブでは人種差別的なドア・ポリシーがあった。入館を拒否され、排外主義者に暴力を振われることもままあった。「犬、アイルランド人、黒人お断りって言われたのよ。」エンプレスさんが有名なフレーズを挙げて強調する。ハウス・パーティの文化は、人種的排斥の結果カウンターとして発展したものなのだ。

 フロントルーム(居間)で行われるハウス・パーティは、ブルース・パーティ、”シュビーン”、レント・パーティなどと呼ばれ、黒人移民が音楽やダンスを安全に楽しめる憩いの場所であり、民族グループのなかで出会いやつながりをつくる場でもあった。バーカウンターを再現した展示を見ながらエンプレスさんは、「オレンジリキュールのカクテル飲んで、みんな自分こそ酒に強いって自慢ばかりしてたわねえ」と懐かしむ。

ハウスパーティの両輪は音楽とお酒。バーカウンターも欠かせない。ジャークスパイス味のクラフトビールの名前は「ウィンドラッシュ」
ハウスパーティの両輪は音楽とお酒。バーカウンターも欠かせない。ジャークスパイス味のクラフトビールの名前は「ウィンドラッシュ」

 レディオグラムは情報を届けるメディアでもある。英国や世界中のニュースや放送を聴くことで移民たちは国籍や民族としてのルーツを確認した。例えばエンプレスさんの知り合いの多くはキリスト教会に通っていたという。「この壁に掛けてある《最後の晩餐》はここいらの家にはみんなあったけど最近は信心深くないからないわね、イエス黒人説みんな信じてるからかしらね。」 時代が変わり信仰のかたちも変化した。高まるブラック・ライブズ・マター運動を受けて、英国最大の影響力をもつカンタベリー大司教がイエス・キリストを白人として描くことが人種差別主義的だと2020年に明言したことも思い出される[2]。

 こうしたルーツに基づく移民集団を形づくってきた文化のなかで、レディオグラムは、ハウス・パーティを通じてジャマイカ系をはじめとした黒人移民の紐帯とルーツ・アイデンティティを育んだ。音楽で場をつくる装置だったのである。

 ブリクストン発のレディオグラムは英国に広がるハウス・パーティ文化の始まりでもあると同時に、音楽スタイルの発展にも強い影響を与えた。レゲエやロックステディ、スカ、ダブなどサウンドシステムによって生まれた音楽は、実はレディオグラムの部品を流用して生み出されたものである。

 たとえば壁面いっぱいのスピーカー「ブラック・ボックス」はサウンドシステムの音響面を支えた。レディオグラム自体はテレビという別の娯楽やカセットテープやCDなどポータブルなメディアが普及するにつれ衰退していったが、ウィンドラッシュ第二世代たちは、古臭くなっていた機器の部品を流用して新たなスタイルを生み出したのだ。

 目の前にあるものでなんとか工夫して創造するブリコラージュ的アプローチは、ダブやレゲエの音楽面でのサンプリングに通じている。歴史は文化の形を変えながら継がれていった。エンプレスさんの車椅子を押しながら熱心にメモを取り、話を聴いていた彼女は将来何を生み出していくのだろうか。

トイレにもブラック・パワー・ムーブメントを代表する雑誌『Race Today』の展示。ブリクストンを拠点に活動した
トイレにもブラック・パワー・ムーブメントを代表する雑誌『Race Today』の展示。ブリクストンを拠点に活動した

アートでおこなう人種差別のメンタルケア

 もう一つの部屋で行われていたのは、メンタルケアをテーマにしたアート展〈結束の絆:黒人として暮らすこと、逆境を耐え抜くこと、及び、メンタルヘルスに関する考察〉だ[3]。こちらもウィンドラッシュ世代に焦点が当てられている。

正確にいえば、アートを調査と表現の手法にして、黒人や女性・高齢者におけるメンタルヘルスの問題を扱うものだ。特に「ウィンドラッシュ・スキャンダル」として知られる、移民排斥政策の歴史がいかに人々のメンタルに影響したのかを解説している。

 ウィンドラッシュ・スキャンダルとは、当時の長官テレサ・メイの下でイギリス内務省から出された「敵対的環境政策」によって、国内で権利をもつ移民が少なくとも87名は不当に強制送還されていたことが明らかになった事件である。彼らの多くは英国に10年以上居住し国内で生まれた子供がいた。ホームレスになり不十分な保険から医療を受けられないものおり、移民センターでは5名が死亡したことが発覚した。さらにそれに先立つこと、1940年代から1973年まで、英国政府が表向きには移民の受け入れを推奨しながら、実際には1950年から1981年に制定されたすべての移民および市民権法が、少なくとも一部分では英国の非白人人口を減らすために作られていたことも発覚した。

 真っ先に想起したのは、茨城県の東日本入国管理センターに収容された人々の痛ましい証言を集めたドキュメンタリー『牛久』だった 。昨年大阪コリアタウン歴史資料館で見た、1947年の外国人登録法によって朝鮮半島出身者の権利を制限したという展示も思い出された[5]。

 〈結束の絆〉展では、スキャンダルが暴いた政策の概要とその暴露に至る経緯が紹介されている。ルワンダやアルバニアへの強制送還や、その根拠とされた英語テストの不正操作の経緯など、また、英国政府への国際的非難の引き金となりスキャンダルの発覚に貢献した2017年10月のガーディアン紙記者アメリア・ジェントルマンの調査報道などが取り上げられている。彼らのトラウマは、政策の不備や根底にある差別意識によって構造的に作られたものである。

 また、複数世代にわたる20の家族への聞き取り調査を通じて得られた結果は、「1. 解雇」「2. 家族離散」「3. 社会保障の欠如」「4. ホームレス化」「5. 不安定な賃金」「6. 公共政策による非人道的扱い」の6つの項目にわかりやすくまとめられている。

 この調査は、アートを通じて行われたものである。本展のための制作活動を通して、参加者の経験を引き出し、それを表現するという方法が採られた。

 調査対象者を「アーティスト」としてキュレーションし、彼らの苦境やその中で感じたこと、具体的に行われたことを、言葉やコラージュ、写真、映像などを用いて表現してもらうことで、それらを記録し物語化する。この手法は、メンタルヘルスの状態を調べるだけでなく、表現すること自体がメンタルケアとしても機能する。つまり、表現行為がセラピーとなるのである。

 「物語化」とは、キュレーションを通じてメンタルヘルスへの影響を意味づけることだ。展示は「1.帰属について(This Country Isn’t For Us: Belonging)」「2.構造的負荷について(Black Is Heavy: This Is My Reality)」「3.過去・歴史から学ぶことと人から学び伝えること(Our Elders Matter: Hope For The Future)」「4.良いメンタルヘルスのかたち(We Make Our Own Light: This is What Good Mental Health Looks Like)」といった四つのテーマに分類されて意味づけられている。

「Our Elders Matter 」セクションのコラージュ。黒人権利運動家ジェイムス・ボールドウィンなどの言葉も見える

 コラージュ、ペインティング、写真、ビデオ、インスタレーション、詩などで表現されている作品からいくつか取り上げてみよう。

 「1.帰属について」では、「この国は私たちのためのものではないThis Country Isn’t For Us」という副題に合わせてつくられたいくつもの詩が展示されている。QRコードを読み取ると本人がそれをリーディングしている音声を聴くことができる(また、全てのパネルが同館ウェブで音声公開されていて、文字が読めない人へのユニバーサル対応にもなっている)。

 以下はムナシャ・マクウィラミティ氏の作品からの抜粋だ。

“Where are you REALLY From?”
I’ve heard this asked time and time again.
Upon reading my name, you already knew.
I’m not REALLY one of YOU.
You ask this question as if you really want to know,
But it’s as if you’re telling me to go.
Go back to where I hailed from.
Reminding me, this is not my real “home”.

「あなたは本当はどこから来たの?」
私はこの質問を何度も何度も聞いたことがあります。
すでにあなたは私の名前を見て、知っていたのです。
私は「本当には」あなた方の一員ではないのですね。
あなたは本当にそれを知りたいかのように質問をするけど、
それは私にどこかに行けと言っているかのようなのですよ。
元いた生まれの地に戻れ、と。
これは、本当の「ホーム」ではないのだな、と私に思い出させるのです[6]。

 “Where are you from?”は、文字通りは出身地を訪ねるフレーズだ。肌の色や顔貌、母語が社会のマジョリティと異なる場合に人々は、その社会に居住しているにもかかわらずこうした質問をされ続け、“小さなよそもの感覚”を受けながら暮らしている。「居住」ではなく「居留」だと言われているようであり、それではその土地・コミュニティに帰属し「ホーム」であると感じにくなってしまう。日々こうした違和感のなかで生きているのだ。

 こうした「マイクロアグレッション」をテーマにした作品は、「2.構造的負荷について」のセクションの動画作品でも語られる。ホワイトノイズの画面と音のなか、人々が受けたマイクロアグレッションの言葉や状況がテロップで流れていく。

「私は人種差別主義者じゃない、だって何人も黒人の友人がいるもの。」動画作品ではこうしたマイクロアグレッションの言葉が流れている

 「あなたたちはうるさいよね」「エキゾチックで素敵ね」「マネージャーと話させてくれる? 本当のマネージャーと」――それぞれ順に、あたかも「黒人」という属性に必ずそういう性質がある前提でひとくくりにして非難する語り、ルックスや文化様式を褒めているものの、それは個人ではなく属性に紐づいて判断するルッキズムも交えた語り、黒人には高い地位につく人が少ないという前提に基づく語り……と、どれも会話で有色系・非白人に向けられるステレオタイプだ。

 こうしたステレオタイプは、他人の能力を判断する際にも利用され、その結果、社会的地位を下げたり、当事者の尊厳を失わせたりすることになる。ウィンドラッシュ・スキャンダルは、このような人種差別が法整備の段階で政府によって行われていた「構造的人種主義(systemic racism)」の最悪のケースである。

 このスキャンダルによって被害を受けた人々が、どのように感じ、考え、言葉や形で表現するようになったのか。本展は、その声を「アート」として形にし、「キュレーション」を通して意味づけをして公共へと伝えるものである。

 彼らの表現自体は、コンテンポラリーアートの美術館で活躍するアクティヴィズム系のアーティストの作品ほど洗練されているわけではないだろう。しかし、その未成熟な表現様式こそが、体験を平易な言葉や手法でストレートに伝え、鑑賞者に過去の体験を思い起こさせ、心に深く響く。英語を母語としない東アジア人として短期間ブリクストンに住んでいるだけの私でも、いくつも過去の経験が思い出され心に残るものがあった。長い世代にわたりこの街に生まれ育った人々には、これらのアートはどのように届いたのだろうか。その力は、展示を訪れるたびに見かけた鑑賞者の表情や会話からもうかがい知ることができた。

 ブラック・カルチュラル・アーカイブスは、一度は荒廃した街が文化で再生されたブリクストンを象徴している。館があるウィンドラッシュ広場の名は、移民政策で生まれた植民地主義の“被害者”世代に因んでつけられたものだ。ミュージアムはその被害の歴史を記憶しつつ、文化的誇りとしても語りつぐ。ミュージアムから出て広場で見かけたのは、抑圧的な社会構造から弾かれながらも、その中でカルチャーを生み出している人々なのであろう。

ブラック・ヒストリー・チューブ・マップ。
ロンドンの鉄道各駅を黒人文化のスポットに置き換え、「歴史のオルタナティブ」を見せる

 住宅街の方向へ家路につくと、フットボールでイングランドが敗戦したあと爆音で音楽をかけて叫び憂さ晴らしするハウス・パーティの音があちこちで聴こえていた。近所でパーティの翌日は寝不足で迷惑、くらいに思っていたサウンドが、今日は違って聴こえてくる。想像力を広げるのはカルチャーの力である。引っ越しを翌週に控えても家が見つからない中で考えていた。

[1] Bluespot Gram & Tings: The Windrush Generation and The Radiogram
11th July 2024 – 18th August 2024, Black Cultural Archives. https://blackculturalarchives.org/ties-that-bind/ywdepa6xe78ytjljb43f4esceaadz2 
[2] Meghan Roos,“Head of Church of England: White Jesus Should be Reconsidered Amid Protests,” Newsweek (Jun 26, 2020). https://www.newsweek.com/head-church-england-white-jesus-should-reconsidered-amid-protests-1513809 カンタベリー大司教のジャスティン・ウェルビーは、白いキリストは当然再考すべきで、「白人のキリストだけでなく、黒人や中国人のキリストがいる。アラブ系キリストは最も本物に近い正確なものだ」と発言した。
[3] Ties that Bind: Reflections on Black Life, Surviving Hostile Environments, and Mental Health 9th May – 8th September 2024, Black Cultural Archives  https://blackculturalarchives.org/events/ties-that-bind
[4]「物議醸す「収容外国人の実名顔出し映画」が問う事日本社会が見過ごしてきた入管施設の深刻実態」東京経済ONLINE(2022年3月12日)。また、各種データなどがコンパクトにまとめられている映画の公式パンフレットも参考になる。
[5] https://x.com/phoiming/status/1655086444531294208
[6] Munashe Makwiramiti “This Country Isn’t For Us.” 邦訳は筆者による。

筆者について

こもり・まさき 1982年岡山生まれ。武蔵大学人文学部准教授、立教大学アメリカ研究所所員、ウェルカムコレクション(ロンドン)及びテンプル大学歴史学部(フィラデルフィア)客員研究員。専門はアメリカ文化研究、ミュージアム研究。美術・映画批評、雑誌・展覧会・オルタナティブスペースなどの企画にも携わる。著書に、『楽しい政治』(講談社、近刊)、「『パブリック』ミュージアムから歴史を裏返す、美術品をポチって戦争の記憶に参加する──藤井光〈日本の戦争画〉展にみる『再演』と『販売』」(artscape、2024)、「ミュージアムで『キャンセルカルチャー』は起こったのか?」(『人文学会雑誌』武蔵大学人文学部、2024)、「共時間とコモンズ」(『広告』博報堂、2023)、「美術館の近代を〈遊び〉で逆なでする」(『あいちトリエンナーレ2019 ラーニング記録集』)。企画に、『かじこ|旅する場所の108日の記録』(2010)、「美大じゃない大学で美術展をつくる vol.1|藤井光〈日本の戦争美術 1946〉展を再演する」(2024)、ウェブマガジン〈-oid〉(2022-)など。連載「包摂するミュージアム」(しんぶん赤旗)も併せてどうぞ。https://masakikomori.com

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