俳優・本田礼生さんの初連載「本田礼生のこもりっぱなし」が待望の書籍化!
『CONTINUE』での連載全13回の加筆に加え、書き下ろし3回、未収録のアザーカットと新規撮りおろし写真など、これまでの連載の集大成となる豪華な一冊となっています。
刊行を記念して、OHTABOOKSTANDでは、本書の中から5つのエピソードの一部を抜粋し、特別に公開していきます。(全5回)
今回は、大好きな大人気格闘ゲームについて語られた連載第2回の一部をお届けします。
──本田さんが一番最初に触ったゲーム機は何だったんですか?
本田 初めて触ったのはスーパーファミコンだと思います。いまでもはっきり覚えてるのは、1Pを兄がやっていて、僕は2Pのコントローラを持ってたんですけど、コードが刺さってなかったことがあって。
──ええ!?
本田 そのとき僕は4歳か5歳だったんですけど「コードが刺さってなくても、やってる気持ちになるでしょ」っていう周囲の感じを幼いながらも察していたのを覚えています(笑)。それで、ちょっとゲームに触れるようになったくらいにPlayStation が我が家にやって来て、そこで触ったのが『鉄拳』。それで『鉄拳』を家族でやっていました。
──1995年に発売された最初の『鉄拳』ですね。
本田 そのときはシステムもわからないし、グジャグジャやっていただけでしたが、『鉄拳3』ぐらいからシステムを理解しはじめて、『5』か『6』くらいからガチ勢になりました。それから『タッグトーナメント2』『7』までは本当にダンスと『鉄拳』しかしてないみたいな学生生活でした。
──ダンスとも両立されてたんですね。
本田 学業とは両立できてなかったんですけど(笑)。
──あははは(笑)。
本田 朝起きて『鉄拳』をして、夜ダンスの練習に行って、深夜にまた『鉄拳』をして、それで朝起きて……の繰り返し。ずっと『鉄拳』をやってましたね。オンライン対戦が初めて実装されたのが厳密に言うと『5』なんですが、しっかり普及したのは『6』からだったんです。当時はラグがあっても別にみんな気にしない時代というか、「オンラインで対戦できることがすごい!」っていう時代。そのときが一番燃えていましたね、『鉄拳』は。本当に「うわ! こんな戦い方あるんだ!」っていう。それまでは友達としかやっていなかったので、すごい固まった戦い方をしていたんですよね。とにかくずっとオンライン対戦をやっていました。
──「大会に出よう」って思わなかったんですか?
本田 大会に出ようとは思わなかったですね。でも大会の動画は観ていて、そんなに差は感じてなかったかな。
──おお!
本田 当時はダンスを休もうと思えば休めましたからね。だから本当のガチ勢。1日に6~7時間ずっとやってるみたいな感じだったので、大会の動画を観ても「いまのとこミスるか?」とか思ったりしていました(笑)。
──じゃあ『鉄拳』はシリーズを通して全作プレイされてるんですか?
本田 ほぼほぼプレイは全部しています。やり込んだかって言われるとまた別なんですが。
──シリーズの中で特に好きなのって、どれになりますかね?
本田 いくつかありますが、まず『鉄拳3』。『鉄拳』シリーズのシステムを最初に確立した作品。それまでは『ストリートファイターⅡ』や『バーチャファイター』に対する、言い方は悪いですけど、色物コンパチゲームだったと思うんです。でも『3』からは「これはすごいゲームだな」と思いました。
──『鉄拳3』大ヒットしましたもんね。
本田 そうですね。『3』は思い出深いです。あと『鉄拳タッグトーナメント2』は過去に出てたキャラがほぼ全部出るっていう異例な作品で、もうバランス調整とかよりも、お祭りって感じだったんですよ。昔『鉄拳3』にしか出てなかったポリゴンのキャラが高画質になって最新のシステムで使える! っていうのが、シリーズファンとしては本当に嬉しくて。『タッグ2』の発売日前日は僕、寝れなくなっちゃって、楽しみすぎて。
──あははは(笑)。
本田 もちろん店舗に予約はしていてお店の開店時間は10時なのに、寝られないまま、夜中の3時くらいまで起きてたんです。そのころ、僕は兄と一緒に住んでいたんですね。そして僕、本当に朝起きるのが苦手で。朝10時に『タッグ2』を買いに行くには9時30分には起きなければいけないんです。でもつい数時間前に寝たばかりだから案の定、自力では起きられなくて。で、兄が起こしてくれたんです。「礼生、もうすぐ10時だよ」って言われた瞬間「わかった!」って言って、そのまま玄関を飛び出したらしいんです(笑)。
──どんだけ楽しみなんだと(笑)。
本田 ノンストップ。水を飲むとか、伸びをするとかもなく「わかった!」って玄関を出ていった。髪もはねてるし。「そんなノンストップ見たことない」って兄からは言われました(笑)。それで、そのまま店に行って、買って帰って寝ぼけ眼で起動して、1~2時間くらいプレイしたら「なるほどこんな感じね」って言って寝たらしいです。ほとんど記憶にないんですけど、なかなかの驚愕のエピソードですよね(笑)。
──いやーいい話だ(笑)。
本田 もうひとつ『鉄拳7』は完結編というか、ずっとテーマだった親子喧嘩、いまは家族喧嘩なんですけど、それが完結するということで、やっぱり外せないですね。最近ってゲームはアップデートで新キャラも増えるし、バランスも調整もされるから1作品が長い時代になってるんですよ。だから『7』で一旦シリーズに区切りをつけようとしているっていうのが、すごくわかるんですよ。僕が最初に『7』をやってたときと、いまは丸っきり違うゲームになっているなって思います。格闘ゲームは運営さん側の調整命なので、すごく細やかな調整がなされたことを受けて「こんな(技が)繋がるんだ!」とか、その分ほかのキャラにも新しい技が増えていたりとか。そういうのを大会とかで観ても面白いなあって思いますね。
※このインタビューの全文『本田礼生のこもりっぱなし』(2023年3月17日(金)発売)にてお読みいただけます。
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本書では、本記事を含めた連載全13回の他、書き下ろし3回を収録。【通常版】に加え、動画(全3種よりランダム)と、ポストカード付きの【NFT版】、特製フレークシール付きの【Amazon限定版】の3バージョンで、好評発売中です。
詳しくは、こちらの記事、もしくは太田出版公式サイト(『本田礼生のこもりっぱなし』特製POPを配布中!)をご確認ください。