グレタ・トゥーンベリさんが気候変動の対策を訴え、世界から注目を集めた2018年から6年が経ちました。気候変動への問題意識は年々高まりを見せています。
一方で、複雑な気候変動の問題について、いま何が起きていて、そもそもなぜ問題なのかが把握しきれずにいる人も少なくないはずです。
2020年7月22日に太田出版より刊行した『図解でわかる 14歳から知る気候変動』(インフォビジュアル研究所・著)では、地球の気候システムから、いま起きている大変動、さらに人類にできることまで、気候変動の問題を網羅的に、そして図を用いてわかりやすく解説しています。
刊行以来ご好評をいただいている中、この度4度目の増刷が決定いたしました。その記念として、一部をOHTABOOKSTANDで全6回にわたって公開します!
いま、地球の気候変動(きこうへんどう)が、大きな問題になっています。「気候」とは、長い期間で見た、ある地域の平均的な大気の状態をさします。大気の状態は、海洋、陸面、雪氷(せっぴょう)などと深く関わり合って変化するため、これらをひとつのシステムととらえて、「気候システム」と呼んでいます。
地球の長い歴史を見ると、気候は一定ではなく、寒い時期と暖かい時期が、約10万年もの長い周期(しゅうき)で繰り返されてきました。これは、何らかの自然の力が加わって、気候システムがゆっくりと変化してきた結果です。しかし、いま問題になっている気候変動は、自然な変化ではなく、人間によって引き起こされたものだと考えられています。人間の活動が、気候システムを短期間で変えてしまったのです。
この気候変動によって引き起こされる現象は、多岐(たき)にわたりますが、ここでは 12のポイントにしぼって見ていきましょう。それぞれについての詳しい解説は、Part3の対応するページを参照してください。
『図解でわかる 14歳から知る気候変動』(インフォビジュアル研究所・著)は全国書店・通販サイトや電子書店で発売中です。図版が多くわかりやすいと好評の書籍シリーズ「図解でわかる~」は、日本の宗教、ごみ問題、水資源、気候変動などのSDGsに関する課題や、地政学、資本主義、民主主義、心のケア、LGBTQ+などなど、今だから学び直しておきたいワンテーマを1冊に凝縮して3~4カ月毎に刊行されています。