『中村屋のボース』『秋葉原事件』『「リベラル保守」宣言』『親鸞と日本主義』など数々の著書で、日本という国について独自の視点で論じてきた政治学者・中島岳志さんによる本格論考連載。初の著書『ヒンドゥー・ナショナリズム』が出版されてから節目の20年目の2022年に始まる論考のテーマは「縄文」。人は「原始」の中に「イノセントなもの」を見出し、今生きる社会の閉塞を突破しようとする。岡本太郎が、柳宗悦が「縄文」を発見し、島尾敏雄が「縄文」の中に天皇以前の原日本人を見出し、吉本隆明を南島論へと向かわせる。「縄文論」は、ヒッピームーブメントとも接続する一方、右派的なスピリチュアリズムとも結びつく。戦後日本の芸術家や思想家、運動家、宗教家たちは、「縄文」に何を見出していったのか。戦後日本は何につまずき、いかなる願望を「縄文」に投影していったのか。その軌跡を追うことで、戦後日本を別の角度から検証する。(毎月第4金曜日掲載予定)
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戦後日本が「縄文」に見ようとしたもの
『中村屋のボース』『秋葉原事件』『「リベラル保守」宣言』『親鸞と日本主義』など数々の著書で日本という国について、新たな、独自の視点で論じてきた政治学者・中島岳志さんによる本格論...