2024年4月23日に発売された『図解でわかる 14歳から知る イスラム教』(山折哲雄・総監修、私市正年・監修、インフォビジュアル研究所・著)をOHTABOOKSTANDでは全6回にわたって、本書の一部を公開します。
戒律が厳しいという印象を持たれがちなイスラム教ですが、それは大きな誤解だったのかもしれません…。本書では「世界でイスラム教徒が増えている理由~じつは楽しく、優しい宗教だから?~」をコンセプトに、イスラム教について徹底解説しています。
最終回となる第6回は、イスラム教の文化について紹介します。イスラム教と言えば豚肉やお酒の摂取を禁止されていることが有名ですが、禁止されているものは食事でけではなく化粧品や医療品など多岐にわたります。今回は禁止されているものだけではなく、何が許されているのか、禁止される条件は一体どのようなものなのかを解説していきます。
食事だけでなく化粧品や医薬品も対象
イスラム教では、神に許された物事を「ハラール」、禁じられた物事を「ハラーム」といいます。
ハラールとハラームは、ムスリムが日常生活を送るうえで大切な判断基準。ハラールかハラームか区別がつかないものは「シュブハ」と呼ばれ、疑わしいものとして避けるよう求められています。
ハラールといえば、前項で見たハラール食がよく知られていますが、食べ物に限りません。
化粧品、ヘアケア製品、石鹸、医薬品なども、豚に由来する成分やアルコールが含まれていれば、ハラールではありません。化粧品には豚由来のコラーゲンやペプチドなど、医薬品にはゼラチンやアルコールなどが含まれていることが多いので、ムスリムは細心の注意を払います。
また、成分に問題がなくても、製造過程や輸送過程で禁止されたものに触れてしまったものもハラームです。
世界で進むハラール認証
こうした基準を満たした安全な商品であることを証明するのが、ハラール認証マークです。
国際的な統一基準はまだないものの、イスラム教国はもとより、現在では欧米各国や日本にもハラール認証機関が生まれています。非イスラム圏でもハラール認証が進められているのは、ムスリム人口が急増し、巨大な「ハラール市場」を形成するようになったためです。
p14~15で見たように、ハラール市場は、観光、ファッション、メディア、金融など幅広い分野に及び、新しいビジネスとして世界の注目を集めています。
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本書ではイスラム教徒の暮らしと文化、その教えから経済事情まで、最新情報を起源とともにわかりやすくまとめられた記事が満載です。「世界の宗教と文化」シリーズ第4弾『図解でわかる 14歳から知る イスラム教』(山折哲雄・総監修、私市正年・監修、インフォビジュアル研究所・著)は全国書店・通販サイトや電子書店で発売中です。図版が多くわかりやすいと好評の書籍シリーズ「図解でわかる~」は、日本の宗教、ごみ問題、水資源、気候変動などのSDGsに関する課題や、地政学、資本主義、民主主義、心のケア、LGBTQ+などなど、今だから学び直しておきたいワンテーマを1冊に凝縮して3~4カ月毎に刊行されています。
筆者について
2007年より代表の大嶋賢洋を中心に、編集、デザイン、CGスタッフにより活動を開始。ビジュアル・コンテンツを制作・出版。主な作品に『イラスト図解 イスラム世界』(日東書院本社)、『超図解 一番わかりやすいキリスト教入門』(東洋経済新報社)、「図解でわかる」シリーズ『ホモ・サピエンスの秘密』『14歳からのお金の説明書』『14歳から知っておきたいAI』『14歳からの天皇と皇室入門』『14歳から知る人類の脳科学、その現在と未来』『14歳からの地政学』『14歳からのプラスチックと環境問題』『14歳からの水と環境問題』『14歳から知る気候変動』『14歳から考える資本主義』『14歳から知る食べ物と人類の1万年史』『14歳からの脱炭素社会』『14歳からの宇宙活動計画』(いずれも太田出版)などがある。