「生きるための食べ物」はいつから「利益のための食べ物」になったのか。『図解でわかる 14歳から知る食べ物と人類の1万年史』では、人類が歩んだ食の歴史と、食のための産業が引き起こした地球規模の問題について、図解イラストとともにわかりやすく解説しています。今回は、気候変動が私たちの食生活に与える影響について、一緒に学びましょう。
温暖化と自然災害が農業を直撃
人類史とともに発展してきた食の世界に、いま、さまざまな危機が忍び寄っています。そのひとつが、気候変動の影響です。
18世紀後半の産業革命以来、二酸化炭素(CO₂)などの温室効果ガスが大量に排出されるようになり、地球温暖化が進んでいます。気温が上昇すると、農作物の生育不良や病気・害虫の発生を招き、収穫量が減ってしまいます。そのため、適正な気温を求めて、農作物の生産地が緯度の高いほうへ(北半球なら北へ)と移動。新たな生産地が生まれる反面、従来の生産地は衰退の危機にさらされてしまいます。
また、気候変動によって、干ばつ、熱波洪水、森林火災などの自然災害が多発し、世界の農業に大きな打撃を与えています。災害対策が遅れている途上国では、農業被害が特に深刻化しています。日本でも、大型台風や集中豪雨による水害が相次ぎ、農林水産業への被害が増加。2019年には、令和元年東日本台風(台風19号)などにより、被害額が4,883 億円にも達しました。
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本書では、人と食の歴史やSDGsに関わる国の食の問題、日本の食の問題などについてわかりやすく解説しています。『図解でわかる 14歳から知る食べ物と人類の1万年史』(インフォビジュアル研究所)は全国書店・通販サイトや電子書店で発売中です。なお、「図解でわかる14歳からの~」は現在第19弾まで刊行されている人気書籍シリーズ。ごみ問題、水資源、気候変動などの環境課題、地政学、資本主義、宇宙開発、食料問題、LGBTQ+防災などなど、今だから学び直しておきたいワンテーマを1冊に凝縮して3~4カ月毎に刊行されています。
筆者について
2007年より代表の大嶋賢洋を中心に、編集、デザイン、CGスタッフにより活動を開始。ビジュアル・コンテンツを制作・出版。主な作品に『イラスト図解 イスラム世界』(日東書院本社)、『超図解 一番わかりやすいキリスト教入門』(東洋経済新報社)、「図解でわかる」シリーズ『ホモ・サピエンスの秘密』『14歳からのお金の説明書』『14歳から知っておきたいAI』『14歳からの天皇と皇室入門』『14歳から知る人類の脳科学、その現在と未来』『14歳からの地政学』『14歳からのプラスチックと環境問題』『14歳からの水と環境問題』『14歳から知る気候変動』『14歳から考える資本主義』『14歳から知る食べ物と人類の1万年史』『14歳からの脱炭素社会』『14歳からの宇宙活動計画』(いずれも太田出版)などがある。