1977年、NASAは惑星探査機「ボイジャー1号」とその姉妹探査機「ボイジャー2号」を打ち上げ、「ボイジャー計画」を実施しました。ちょうどこの頃、180年に一度、木星、土星、天王星、海王星がほぼ同じ方向に並ぶ時期だったため、それらの惑星を連続探索する「グランドツアー(大旅行)」を目指したのです。双子のボイジャーは今どのあたりを旅しているのか気になりますね。
『図解でわかる 14歳からの宇宙活動計画』(インフォビジュアル研究所・著)では、宇宙の秘密や宇宙開発の今、そして未来のプロジェクトまでをカラー図版満載で紹介!
ここでは、その一部を特別に公開します。
今回は、「ボイジャー計画」について見てみましょう。
太陽系の先を目指すボイジャー
NASAの双子の惑星探査機「ボイジャー1号・2号」は、打ち上げから40年以上経ったいまも、広大な宇宙を旅しながら、地上に観測データを送り続けています。
NASAのホームページには、ボイジャーがいま地球や太陽からどれだけ離れた地点にいるかが刻々と表示されています。2021年8月の時点で、1号は太陽から約154au(約230億㎞)、2号は約128au(約190億㎞)離れたところを飛行しています。
両機とも、2025年頃には搭載する原子力電池の寿命が尽き、観測データは送られてこなくなりますが、本体は太陽系を超えてなお飛び続ける予定です。
銀河系に知的生命体を探して
宇宙には、幾多の星が集まる「銀河」が無数に存在します。そのうちのひとつが、「銀河系」または「天の川銀河」と呼ばれるもので、私たちが住む太陽系は、この銀河系の端に位置しています。
銀河系だけでも、太陽と同じような恒星が、約2000億個あるとされ、その周りをいくつもの惑星が回っていると考えられています。こうした太陽系外惑星のなかには、もしかしたら地球と同じように生命が存在する星があるかもしれません。
実は、ボイジャーには、観測のほかにもうひとつの役割が託されています。それは、地球外知的生命体に発見されたとき、地球人の存在を知らせることです。そのため2機のボイジャーには、金色のレコード盤が搭載され、そこには地球上の様々な音や各国語の挨拶の言葉などが収められています。
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本書では、現在分かっている宇宙についての情報や、宇宙開発の歴史や発展、予想も含めた今後の展開についてわかりやすく解説しています。『図解でわかる 14歳からの宇宙活動計画』(インフォビジュアル研究所)は全国書店・通販サイトや電子書店で発売中です。図版が多くわかりやすいと好評の書籍シリーズ「図解でわかる~」は、ごみ問題、水資源、気候変動などの環境課題、地政学、資本主義、民主主義、食料問題、LGBTQ+などなど、今だから学び直しておきたいワンテーマを1冊に凝縮して3~4カ月毎に刊行されています。
筆者について
2007年より代表の大嶋賢洋を中心に、編集、デザイン、CGスタッフにより活動を開始。ビジュアル・コンテンツを制作・出版。主な作品に『イラスト図解 イスラム世界』(日東書院本社)、『超図解 一番わかりやすいキリスト教入門』(東洋経済新報社)、「図解でわかる」シリーズ『ホモ・サピエンスの秘密』『14歳からのお金の説明書』『14歳から知っておきたいAI』『14歳からの天皇と皇室入門』『14歳から知る人類の脳科学、その現在と未来』『14歳からの地政学』『14歳からのプラスチックと環境問題』『14歳からの水と環境問題』『14歳から知る気候変動』『14歳から考える資本主義』『14歳から知る食べ物と人類の1万年史』『14歳からの脱炭素社会』『14歳からの宇宙活動計画』(いずれも太田出版)などがある。