観光地に行くと、移動の新感線や宿泊先、お土産屋さんや食事処などでたくさんの人と出会うことができます。観光にかかわる仕事は、目に見えるものからそうでないものまで多様なようです。
2023年6月に発売された『図解でわかる 14歳から学ぶこれからの観光』(社会応援ネットワーク)には、私たちの住む地域の文化や歴史、自然などを観光資源として認識し、発信していくための知識が満載。ここでは、その一部を抜粋し、紹介していきます。(全6回)
今回は、観光の仕事について。
観光の仕事ってどんなものがあるの?
観光産業は、観光客に直に接する仕事から、間接的に支える仕事まで多種多様です。広い視点で見ると、みなさんの身近にも観光にかかわる仕事がたくさんあります。興味のある分野を掘り下げて調べてみましょう。
観光産業で働く人たち
宿泊施設で働く人
ホテルや旅館などの宿泊施設では、宿泊客のお世話をする仕事だけでなく、料理人や土産店で働く人、警備をする人などさまざまな仕事があります。
テーマパークなどで働く人
テーマパークや遊園地、水族館、動物園、美術館、博物館などでは、アトラクションにかかわる人の他に、入園/入館窓口やショップで働く人、施設の清掃、機器のメンテナンスの人、警備の人などたくさんの人に支えられています。
飲食店や土産店で働く人
郷土料理やB 級グルメなど、地域を代表する料理のレストランが観光地にはあります。また、その地方の特産品を販売するおみやげ店もあり、多くの人が働いています。
旅行会社で働く人、ツアーを案内する人
旅行者が観光を楽しめるようにお手伝いをする多様な仕事があります。旅行会社で働き旅行を企画したり、添乗員や通訳、バスガイドなどの仕事をする人です。
観光客の移動を支える人
観光客の移動を支える仕事には、電車、バス、タクシーの運転手、船や飛行機のスタッフ、駅、空港、港などの施設で働く人たちです。
地域や日本の魅力を発信する人
地域や日本の魅力を発信する仕事は、地域の観光協会や観光連盟、都道府県・市区町村の観光課、政府観光局などで働く人たちです。
安全・快適な観光産業を支える人
観光客と直接かかわることがなくても宿泊施設や飲食店で使う食材を納める農業、漁業従事者や清掃の仕事をする人も観光産業を支えています。また、病院や警察の人たちや、ガス・水道・ごみ処理などのインフラ施設で働く人たちも観光をサポートしてくれているといえます。
例えば…
・農業や漁業従事者
・配達、運送業の人
・清掃、ゴミ収集の人
・警備の人
・看護師、医師
・電気・水道・ガスなど
ライフラインの従事者
・消防官、警察官など
出典:公益社団法人日本観光振興協会『観光でまちを元気に!日本・ふるさと再発見!改訂版』
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本書では、観光に関する基礎知識から観光企画制作のアドバイスまで、観光に関わる情報を幅広くご紹介。中高生へのヒアリングをもとにした31個の質問から、「観光」をより身近に感じられる分かりやすい1冊となっています。『図解でわかる 14歳から学ぶこれからの観光』(社会応援ネットワーク)は全国書店・通販サイトや電子書店で発売中です。図版が多くわかりやすいと好評の書籍シリーズ「図解でわかる~」は、ごみ問題、気候変動などの環境課題の他、宗教や、資本主義、民主主義の歴史、心のケア、LGBTQ+など、今だから学び直しておきたいワンテーマを1冊に凝縮して3~4カ月毎に刊行されています。
筆者について
全国の小中学生向けの『子ども応援便り』編集室が、2011年東日本大震災時、「メッセージ号外」を発行したのを機に設立。同時に文部科学省等から委託を受け、被災地に「子どもの心のケア」の出張授業や教職員向けの動画配布を行う。以降、全国の4、5、6年生全員に『防災手帳』を無料配布するなど、学校現場からの「今、これが必要」の声に徹底して応えるプロジェクトを展開。心のケア、防災、共生社会、SDGsの出張授業や教材作り、情報発信を続ける。コロナ禍では、「こころの健康サポート部」を立ち上げた。書籍に『図解でわかる 14歳からのLGBTQ+』(太田出版)など。