2024年4月23日に発売された『図解でわかる 14歳から知る イスラム教』(山折哲雄・総監修、私市正年・監修、インフォビジュアル研究所・著)をOHTABOOKSTANDでは全6回にわたって、本書の一部を公開します。
戒律が厳しいという印象を持たれがちなイスラム教ですが、それは大きな誤解だったのかもしれません…。本書では「世界でイスラム教徒が増えている理由~じつは楽しく、優しい宗教だから?~」をコンセプトに、イスラム教について徹底解説しています。
第4回は、イスラムの教えの基本となる「六信五行」について紹介します。6つの信じる対象と5つの行いとはどのような内容なのでしょうか?ここでは特に六信に焦点をあて図解とともに解説していきます。
5つの信仰と6つの行い
イスラムの教えは、「六信五行」と呼ばれるものに集約されています。
「六信」とは、イスラム教徒が信じるべき6つのこと。「五行」とは、イスラム教徒に求められる5つの行いをさします。
六信の対象となるのは、次の6つです。
① 唯一全能の神アッラー
② 天使(マラーイカ)
さまざまな役割をもつ神の使者たち。
③ 啓典(キターブ)神の啓示を記した書。コーランが最重要。
④ 預言者(ナビー)
神の言葉を伝える人。筆頭はムハンマド。
⑤ 来世(アーヒラ)
神の裁きが下り、人は生前の行いによって天国か地獄に送られる、という終末観。
⑥ 天命(カダル)
人の運命は、神が定めたものであること。
これらを信じるだけでなく、日常生活のなかで信仰を行動で示すのが、イスラム教徒の務め。それが五行です。詳しくはPart3で見ていきますので、ここでは次の5項目の要点をおさえておきましょう。
① 信仰告白(シャハーダ)
「アッラーのほかに神はなし。ムハンマドは神の使者なり」と証言すること。
② 礼拝(サラート)
1日5回、神に祈ること。
③ 喜捨(ザカート)
収入の一部を貧しい人に寄付すること。
④ 断食(サウム)
ラマダン月の日中、飲食を断つこと。
⑤ 巡礼(ハッジ)
巡礼月の指定日にメッカに巡礼すること。
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本書ではイスラム教徒の暮らしと文化、その教えから経済事情まで、最新情報を起源とともにわかりやすくまとめられた記事が満載です。「世界の宗教と文化」シリーズ第4弾『図解でわかる 14歳から知る イスラム教』(山折哲雄・総監修、私市正年・監修、インフォビジュアル研究所・著)は全国書店・通販サイトや電子書店で発売中です。図版が多くわかりやすいと好評の書籍シリーズ「図解でわかる~」は、日本の宗教、ごみ問題、水資源、気候変動などのSDGsに関する課題や、地政学、資本主義、民主主義、心のケア、LGBTQ+などなど、今だから学び直しておきたいワンテーマを1冊に凝縮して3~4カ月毎に刊行されています。
筆者について
2007年より代表の大嶋賢洋を中心に、編集、デザイン、CGスタッフにより活動を開始。ビジュアル・コンテンツを制作・出版。主な作品に『イラスト図解 イスラム世界』(日東書院本社)、『超図解 一番わかりやすいキリスト教入門』(東洋経済新報社)、「図解でわかる」シリーズ『ホモ・サピエンスの秘密』『14歳からのお金の説明書』『14歳から知っておきたいAI』『14歳からの天皇と皇室入門』『14歳から知る人類の脳科学、その現在と未来』『14歳からの地政学』『14歳からのプラスチックと環境問題』『14歳からの水と環境問題』『14歳から知る気候変動』『14歳から考える資本主義』『14歳から知る食べ物と人類の1万年史』『14歳からの脱炭素社会』『14歳からの宇宙活動計画』(いずれも太田出版)などがある。