グレタ・トゥーンベリさんが気候変動の対策を訴え、世界から注目を集めた2018年から6年が経ちました。気候変動への問題意識は年々高まりを見せています。
一方で、複雑な気候変動の問題について、いま何が起きていて、そもそもなぜ問題なのかが把握しきれずにいる人も少なくないはずです。
2020年7月22日に太田出版より刊行した『図解でわかる 14歳から知る気候変動』(インフォビジュアル研究所・著)では、地球の気候システムから、いま起きている大変動、さらに人類にできることまで、気候変動の問題を網羅的に、そして図を用いてわかりやすく解説しています。
刊行以来ご好評をいただいている中、この度4度目の増刷が決定いたしました。その記念として、一部をOHTABOOKSTANDで全6回にわたって公開します!
家庭での対策は節電から
国内の CO₂排出(はいしゅつ)量の14.6%は、家庭から排出されています。意外と多いことに驚かされますが、この数字は、私たち 1人ひとりの心がけで下げることができるのです。
1人当たりの CO₂ 排出量は、年間約1920㎏。そのうち半分近くを占めるのが、電気の使用によるものです。
まず自分の家で、毎月どれだけ電気を使っているか確認してみましょう。節電は、CO₂削減(さくげん)の第一歩です。こまめに電気を消す、冷暖房の設定温度を調整する、省(しょう)エネタイプの家電製品を使うなど、できることから始めてみましょう。電力自由化によって、再生可能エネルギーによる電力を供給する電力会社も増えてきたので、検討(けんとう)してみるのもよいでしょう。また、上下水道の設備、ゴミの焼却(しょうきゃく)やリサイクルにも電力が使われているので、水の使用量やゴミを減らすことも CO₂削減につながります。
CO₂を考えて製品を選ぶ
電気、ガス、灯油(とうゆ)、ガソリンなどの使用量を減らすだけでなく、カーボンフットプリントという目に見えない CO₂ を意識して商品やサービスを選ぶことも大切です。
例えば、同じ野菜でも、電力を使うハウス栽培より露地(ろじ)栽培の旬(しゅん)のもの、遠くから燃料を使って運ばれてくるものより地元産のほうが、CO₂ 排出量は少なくなります。また、CO₂ 削減努力をしている企業の製品やサービスを積極的に利用すれば、企業はさらに温暖化対策に努めるでしょう。いま私たちは、未来の気候のために、便利な暮らしを見直すべき時にきているのです。
『図解でわかる 14歳から知る気候変動』(インフォビジュアル研究所・著)は全国書店・通販サイトや電子書店で発売中です。図版が多くわかりやすいと好評の書籍シリーズ「図解でわかる~」は、日本の宗教、ごみ問題、水資源、気候変動などのSDGsに関する課題や、地政学、資本主義、民主主義、心のケア、LGBTQ+などなど、今だから学び直しておきたいワンテーマを1冊に凝縮して3~4カ月毎に刊行されています。