家族、友だち関係、いじめ、トラウマ、鬱……。わたしたちが生きる社会には様々な“ストレス”の要因があり、これらを完全に回避することはとても難しいことです。でも、“ストレス”について知り、考えることで、その負担を軽くすることができるかもしれません。9月に発売された『図解でわかる 14歳からのストレスと心のケア』(社会応援ネットワーク)では、様々なストレスに向き合い、解決に導く方法を紹介しています。ここでは、その一部を抜粋し、紹介していきます。
今回は、ストレスそのものについて解説します。
そもそも“ストレス”って何?
何かがきっかけになって、嫌な気持ちになったり、イライラしたりドキドキしたりすることがあると思います。こういった心や体に表れる緊張状態をストレスといいます。
そのストレスのもとになるものを「ストレッサー」といい、それによって心や体が変化することを「ストレス反応」といいます。
「ストレッサー」と「ストレス反応」の関係はゴムボールに例えることができます。丸くて弾力があるボールが元気な心だとすると、元気がある(弾力がある)のでストレッサーにつぶされても、元に戻もどります。ですが、何度もつぶされると、ボールの弾力が弱くなる=心の元気がなくなります。そうして「ストレス反応」が強く表れ、ストレス状態となります。
「ストレス反応」に対する工夫のことを「ストレス対処」といいます。人によってストレス対処の方法は様々です。自分に適したストレス対処ができるように取り組んでいきましょう。
ストレスの要因となる「ストレッサー」は、外的ストレッサー、内的ストレッサーに分けられます。外的ストレッサーは、騒音、引越、転校、家族の病気、友だちとのケンカ、家族からの過度な期待や干渉など、周りとの関係で起こるものです。一方、内的ストレッサーは、成績不振、進学への不安、怒り、寂さびしさといった感情や体、体質の急激な変化です。
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本書では、他にも「悲しいニュースをみると胸が苦しくなる」「友だちに本音を話せない」「親にガミガミ言われるのがイヤ!」など、具体的な相談内容を取り上げ解説。学校の保健室や、児童相談所などにも置いていただきたい一冊となっています。『図解でわかる 14歳からのストレスと心のケア』(社会応援ネットワーク)は全国書店・通販サイトや電子書店で発売中です。図版が多くわかりやすいと好評の書籍シリーズ「図解でわかる~」は、ごみ問題、水資源、気候変動などの環境課題、地政学、資本主義、民主主義、食料問題、LGBTQ+などなど、今だから学び直しておきたいワンテーマを1冊に凝縮して3~4カ月毎に刊行されています。
筆者について
全国の小中学生向けの『子ども応援便り』編集室が、2011年東日本大震災時、「メッセージ号外」を発行したのを機に設立。同時に文部科学省等から委託を受け、被災地に「子どもの心のケア」の出張授業や教職員向けの動画配布を行う。以降、全国の4、5、6年生全員に『防災手帳』を無料配布するなど、学校現場からの「今、これが必要」の声に徹底して応えるプロジェクトを展開。心のケア、防災、共生社会、SDGsの出張授業や教材作り、情報発信を続ける。コロナ禍では、「こころの健康サポート部」を立ち上げた。書籍に『図解でわかる 14歳からのLGBTQ+』(太田出版)など。