個人のスマートフォン保有率が60%を超える現代、SNSやメールなどであやしいメッセージを受信する機会も増えています。身に覚えが無くても不安ですよね。あやしいメッセージに対する心構えができていれば、乗り切ることができるかもしれません。
2023年1月に発売された『図解でわかる 14歳からの金融リテラシー』(社会応援ネットワーク)では、「円安」などの基礎的な金融用語から、投資の基本知識、お金のトラブル事例や対処法まで、私たちの生活に関わる「お金」の疑問に答え、図解で解説。ここでは、その一部を抜粋し、紹介していきます。
今回は、“架空請求メール”について。
A.身に覚えがないなら、詐欺かもしれません。まずは落ち着きましょう。
ある日突とつ然ぜん、身に覚えのないサービス利用料金の支払いを求めるメールが届くことがあります。心当たりがなければ、それは架空請求メールである可能性が高いです。架空請求メールに有効な対応策は無視することです。あわてずにメールを削除してください。送信者に返信したり、記載されたURLのリンク先を開いたりしてはいけません。
こうした架空請求メールは、悪意のある者が不特定多数に一斉送信していると考えられます。メールに限らず、SMS(ショートメッセージサービス)や郵便ハガキで届くこともあります。架空請求メールの文面の特徴として、「裁判所に訴える」「財産を差し押さえる」「家族や勤務先に連絡する」などと不安をあおる表現で、お金をだまし取ろうとしてきます。また、債権者の社名や所在地、金額などの具体的な請求内容が記載されていないといった不自然な点が見受けられます。
近年では架空請求メールの手口が巧妙化していて、実在の企業や公共機関の名前をかたったり、本物と見分けがつかない偽サイトへ誘導したりと、手法がより複雑で高度になる傾向があります。
実際にお金をだまし取られるといった被害にあわないために、自分のパスワードなどの管理を厳重に行うことや、あやしい添付ファイルやリンクは開かないことも大切です。
このページのキーワード
【架空請求】
当人が契約した覚えのない商品やサービスの料金を請求して、お金をだまし取ろうとする詐欺の手口。
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本書では、他にも「友だちからお金を貸して欲しいと頼まれた…」「私たちも税金を払っているの?」「クレジットカードって、何歳から作れるの?」など、具体的な相談内容を取り上げ解説。お子様だけでなく、大人にも読んでいただきたい一冊となっています。『図解でわかる 14歳からの金融リテラシー』(社会応援ネットワーク)は全国書店・通販サイトや電子書店で発売中です。図版が多くわかりやすいと好評の書籍シリーズ「図解でわかる~」は、ごみ問題、水資源、気候変動などの環境課題、地政学、資本主義、民主主義、心のケア、LGBTQ+などなど、今だから学び直しておきたいワンテーマを1冊に凝縮して3~4カ月毎に刊行されています。
筆者について
全国の小中学生向けの『子ども応援便り』編集室が、2011年東日本大震災時、「メッセージ号外」を発行したのを機に設立。同時に文部科学省等から委託を受け、被災地に「子どもの心のケア」の出張授業や教職員向けの動画配布を行う。以降、全国の4、5、6年生全員に『防災手帳』を無料配布するなど、学校現場からの「今、これが必要」の声に徹底して応えるプロジェクトを展開。心のケア、防災、共生社会、SDGsの出張授業や教材作り、情報発信を続ける。コロナ禍では、「こころの健康サポート部」を立ち上げた。書籍に『図解でわかる 14歳からのLGBTQ+』(太田出版)など。