2024年4月23日に発売された『図解でわかる 14歳から知る イスラム教』(山折哲雄・総監修、私市正年・監修、インフォビジュアル研究所・著)をOHTABOOKSTANDでは全6回にわたって、本書の一部を公開します。
戒律が厳しいという印象を持たれがちなイスラム教ですが、それは大きな誤解だったのかもしれません…。本書では「世界でイスラム教徒が増えている理由~じつは楽しく、優しい宗教だから?~」をコンセプトに、イスラム教について徹底解説しています。
第2回は、イスラム教徒が信じる神について紹介します。イスラム教は一神教ですが、実はユダヤ教やキリスト教が信じている唯一神と同じなのです。それなのにどうして異なる3つの宗教が生まれたのでしょうか?それぞれの宗教が生まれたきっかけを解説していきます。
同じルーツをもつ3大一神教
世界にはさまざまな宗教があります。
古代ギリシアやインドの神話、日本の神道などは複数の神を祀る多神教。それに対し、イスラム教は唯一の神を信じる一神教です。
一神教にはイスラム教のほかに、ユダヤ教、キリスト教があります。じつはこれら3つの宗教が信じる神は同じです。
ユダヤ教は、預言者アブラハムが神の啓示を受けたことに始まり、ユダヤ人(イラエル人)の民族宗教として発展しました。その聖典に記された預言どおり、救世主イエスが登場すると、ユダヤ教から分離してキリスト教が誕生。ユダヤ人だけでなく万人のための宗教として、ローマを中心とする地中海世界に広まります。
さらに7世紀、アラブ人の預言者ムハンマドが神の啓示を受けて興したのがイスラム教です。
これら3大一神教は、アブラハム(イスラム教ではイブラーヒーム)に端を発するため、「アブラハムの宗教」とも呼ばれます。
その教えには共通するものも多いのですが、イスラム教は独自の聖典コーランを掲げて、アラブ世界を中心に発展。イスラムとは「神にすべてを委ねること」を意味します。
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本書ではイスラム教徒の暮らしと文化、その教えから経済事情まで、最新情報を起源とともにわかりやすくまとめられた記事が満載です。「世界の宗教と文化」シリーズ第4弾『図解でわかる 14歳から知る イスラム教』(山折哲雄・総監修、私市正年・監修、インフォビジュアル研究所・著)は全国書店・通販サイトや電子書店で4月23日から発売予定です。図版が多くわかりやすいと好評の書籍シリーズ「図解でわかる~」は、日本の宗教、ごみ問題、水資源、気候変動などのSDGsに関する課題や、地政学、資本主義、民主主義、心のケア、LGBTQ+などなど、今だから学び直しておきたいワンテーマを1冊に凝縮して3~4カ月毎に刊行されています。
筆者について
2007年より代表の大嶋賢洋を中心に、編集、デザイン、CGスタッフにより活動を開始。ビジュアル・コンテンツを制作・出版。主な作品に『イラスト図解 イスラム世界』(日東書院本社)、『超図解 一番わかりやすいキリスト教入門』(東洋経済新報社)、「図解でわかる」シリーズ『ホモ・サピエンスの秘密』『14歳からのお金の説明書』『14歳から知っておきたいAI』『14歳からの天皇と皇室入門』『14歳から知る人類の脳科学、その現在と未来』『14歳からの地政学』『14歳からのプラスチックと環境問題』『14歳からの水と環境問題』『14歳から知る気候変動』『14歳から考える資本主義』『14歳から知る食べ物と人類の1万年史』『14歳からの脱炭素社会』『14歳からの宇宙活動計画』(いずれも太田出版)などがある。