「エレベーターで地震にあったら?」「ペットも避難所に連れて行っていい?」こんな時、どうしたらいいんだろう? 2月に発売された『図解でわかる 14歳からの自然災害と防災』では、日頃の備えから被災時の対応のしかたまで、身近で素朴な疑問に専門家がこたえる。Q&Aと図解イラストでやさしく解説されている本書から、一部を抜粋紹介します。今回は、とっさに必要となったものについて。意外にも、身近にあるものがとっても役立ちます。防災を“自分ごと”として、今一度考えてみませんか?
災害が起きたとき、備えが十分にある場所にいるとは限りません。助けが来たり、支援物資が届いたりするまで、身の回りにあるものを使って過ごしていくことになります。
さて、あなたなら何を、どんな風に使って活用しますか。被災時の季節によっても、天候によっても、時間によっても、けがの有無によっても必要なものが変わってきます。何が必要になるかを想定して、どんなことができるか考えてみましょう。
一般的には、身の回りにあるもの、例えばペットボトル、ラップ、段ボール、新聞紙、ごみ袋がよく活用されています。
停電の場合は、夜のために照明の確保が大切です。ここで紹介しているペットボトルを使った照明は、通常の懐かいちゅう中電灯の光を拡散するので便利です。白いビニール袋でも代わりになるので、試してみましょう。
けがをした際には、ラップが活用できます。傷口を保護したり、骨折やねんざの人にあてるそえ木を固定したりできます。ロープにもなるので、洗たく物を干すロープや、ひも代わりに使うことができます。そのほか、ラップを丸めてスポンジ代わりにしたり、節水のために食器の上にラップをかぶせて使ったり、即席の伝言板としたりと、使い方はいろいろあります。
家族や友だちと、災害時に何ができるのかを想定して、実際に作ってみましょう。
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このほか本書では、「マグニチュードと震度ってどう違うの?」「富士山って、噴火するの?」「障がいのあるきょうだいがいます」「自宅避難中に断水。トイレは?」「被災地を支援したい」など、中高生から特にリクエストの多かった質問に回答。『図解でわかる 14歳からの自然災害と防災』(社会応援ネットワーク・著、諏訪清二・監修)は、全国書店・通販サイトや電子書店で発売中。防災袋のそばに置いて、時々読み返してみては。なお、「図解でわかる~」は現在第19弾まで刊行する人気シリーズ図書。防災のほかに、ごみなどの環境問題、宇宙活動計画、LGBTQ+などを1冊1テーマに不定期刊行されています。
筆者について
全国の小中学生向けの『子ども応援便り』編集室が、2011年東日本大震災時、「メッセージ号外」を発行したのを機に設立。同時に文部科学省等から委託を受け、被災地に「子どもの心のケア」の出張授業や教職員向けの動画配布を行う。以降、全国の4、5、6年生全員に『防災手帳』を無料配布するなど、学校現場からの「今、これが必要」の声に徹底して応えるプロジェクトを展開。心のケア、防災、共生社会、SDGsの出張授業や教材作り、情報発信を続ける。コロナ禍では、「こころの健康サポート部」を立ち上げた。書籍に『図解でわかる 14歳からのLGBTQ+』(太田出版)など。