裁判員にはどんな人が選ばれるのか、自分には資格があるのか、……気になりますよね。中には、「勝手に選ばれても困る!」「一度でいいから裁判員になってみたい!」など、様々な意見もあるかと思います。実際、裁判員はどんな人がどのように選ばれるのでしょう?
2023年2月に発売された『図解でわかる 14歳から知る裁判員裁判』(インフォビジュアル研究所)は、民主主義と裁判の深い関係や、裁判と裁判員制度の基礎知識、裁判員裁判シミュレーションなど、いざ自分が裁判員に選ばれた時にためになる知識が満載。ここでは、その一部を抜粋し、紹介していきます。
今回は、裁判員に選ばれた時の流れを一緒に見ていきましょう。
裁判員候補者は有権者から選ばれる
ここからは、裁判員裁判が実際にどのようにして行われるのかを見ていきましょう。
裁判員の選定は、裁判が行われる前年から始まります。まず地方裁判所ごとに、管内の市町村の選挙管理委員会が、衆議院選挙の選挙人名簿から候補者をくじにより無作為に選び、裁判員候補者名簿を作成します。つまり、選挙権を持つ人なら、誰でも裁判員に選ばれる可能性があるのです。
名簿に記載された人には、11月頃、裁判員の候補になったことを知らせる通知(名簿記載通知)が届きます。通知には調査票が同封されており、辞退を希望する人は、その理由などを記入して返送します。なお、調査票には辞退できる理由として、「70歳以上」「学生」などの項目が記されていますが、これは高齢者や学生は裁判員にならなくていいということではなく、辞退を希望しない人は調査票の提出は不要です。
残念ながら、年々辞退者が増えているのが現状ですが、実際に裁判員を経験した人の97%が、よい経験だったと答えています。もしあなたのもとに通知が届いたら、内容をよく読んで前向きに検討してみましょう。
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本書では、裁判の基礎知識から裁判員裁判のシミュレーションまで、裁判員裁判に関わる情報を幅広くご紹介。人を裁くことへの向き合い方を学べる一冊となっています。『図解でわかる 14歳から知る裁判員裁判』(インフォビジュアル研究所)は全国書店・通販サイトや電子書店で発売中です。図版が多くわかりやすいと好評の書籍シリーズ「図解でわかる~」は、金融リテラシー、ごみ問題、水資源、気候変動などの環境課題、地政学、資本主義、民主主義、心のケア、LGBTQ+などなど、今だから学び直しておきたいワンテーマを1冊に凝縮して3~4カ月毎に刊行されています。
筆者について
2007年より代表の大嶋賢洋を中心に、編集、デザイン、CGスタッフにより活動を開始。ビジュアル・コンテンツを制作・出版。主な作品に『イラスト図解 イスラム世界』(日東書院本社)、『超図解 一番わかりやすいキリスト教入門』(東洋経済新報社)、「図解でわかる」シリーズ『ホモ・サピエンスの秘密』『14歳からのお金の説明書』『14歳から知っておきたいAI』『14歳からの天皇と皇室入門』『14歳から知る人類の脳科学、その現在と未来』『14歳からの地政学』『14歳からのプラスチックと環境問題』『14歳からの水と環境問題』『14歳から知る気候変動』『14歳から考える資本主義』『14歳から知る食べ物と人類の1万年史』『14歳からの脱炭素社会』『14歳からの宇宙活動計画』(いずれも太田出版)などがある。