私たち日本人も、海外に行ったらその土地ならではの博物館を観たいですよね。日本国内でも、博物館には多くの外国人観光客が来館しているのを見かけます。実は、日本は博物館大国なのだそうですよ。
2023年6月に発売された『図解でわかる 14歳から学ぶこれからの観光』(社会応援ネットワーク)には、私たちの住む地域の文化や歴史、自然などを観光資源として認識し、発信していくための知識が満載。ここでは、その一部を抜粋し、紹介していきます。(全6回)
今回は、日本が誇る“特色のある博物館”について。
日本には面白い博物館はあるの?
日本には博物館が5700カ所以上あり、アメリカに次いで、ドイツと並ぶ博物館大国となっています。国立博物館からプライベート博物館まで、国宝などの文化財、自然科学、交通、暮らしに関わるものなど、テーマも多種多様です。中には自宅の一室を開放したようなマニアックなものもあります。
公的な博物館に共通のミッションは、私たち人類の財産を、保存・展示しながら未来に引き継ぐことです。また、調査・研究した結果を広く発信することで、その地域の観光振興に役立てています。
博物館というと、展示物を見に行くところ、というイメージが強いかもしれませんが、館長や学芸員から深い知識を学んだり、熱い思いを聞いたりする楽しみもあります。みなさんの周りにも、あまり知られていない個性的な博物館があるかも知れません。
日本の貴重な展示施設
京都国際マンガミュージアム(京都府京都市)
旧小学校舎に約5万冊のマンガを収蔵。学園祭のような雰囲気の中で自由に手に取れるほか、貴重な資料も充実。
https://kyotomm.jp/
野球殿堂博物館(東京都文京区)
大谷翔平、村上宗隆をはじめ、誰もが知るプロ野球選手ゆかりの品々や、アマチュアからプロ野球まで、野球に関する貴重な資料を展示。
https://baseball-museum.or.jp/
浜松市楽器博物館(静岡県浜松市)
世界中から集められた1,500点に及ぶ楽器の殿堂。鍵盤楽器や弦楽器のほか、骨やカニの爪で作られた驚きの楽器や、色鮮やかな楽器など、圧巻の展示内容。
https://www.gakkihaku.jp/
震災遺構 仙台市立荒浜小学校(宮城県仙台市)
東日本大震災で津波の被害にあった校舎を保存し、震災の恐ろしさや教訓を未来に伝える貴重な施設として公開。
https://arahama.sendai311-memorial.jp/
東京国立博物館
1872年創立の日本で最も長い歴史をもつ博物館。国宝89件、重要文化財649件(2023年4月現在)を含む収蔵品数約12万件を誇る日本を代表する博物館。本館、平成館、東洋館、法隆寺宝物館など、敷地内には6つの展示館のほか、資料館や茶室もある。
https://www.tnm.jp/
名和昆虫博物館
蝶、クワガタ、カブトムシなどおよそ1,000種、3,500匹の昆虫標本を展示する日本最古の昆虫博物館。モルフォチョウやギフチョウなど美しい蝶の展示は必見。
http://www.nawakon.jp/
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本書では、観光に関する基礎知識から観光企画制作のアドバイスまで、観光に関わる情報を幅広くご紹介。中高生へのヒアリングをもとにした31個の質問から、「観光」をより身近に感じられる分かりやすい1冊となっています。『図解でわかる 14歳から学ぶこれからの観光』(社会応援ネットワーク)は全国書店・通販サイトや電子書店で発売中です。図版が多くわかりやすいと好評の書籍シリーズ「図解でわかる~」は、ごみ問題、気候変動などの環境課題の他、宗教や、資本主義、民主主義の歴史、心のケア、LGBTQ+など、今だから学び直しておきたいワンテーマを1冊に凝縮して3~4カ月毎に刊行されています。
筆者について
全国の小中学生向けの『子ども応援便り』編集室が、2011年東日本大震災時、「メッセージ号外」を発行したのを機に設立。同時に文部科学省等から委託を受け、被災地に「子どもの心のケア」の出張授業や教職員向けの動画配布を行う。以降、全国の4、5、6年生全員に『防災手帳』を無料配布するなど、学校現場からの「今、これが必要」の声に徹底して応えるプロジェクトを展開。心のケア、防災、共生社会、SDGsの出張授業や教材作り、情報発信を続ける。コロナ禍では、「こころの健康サポート部」を立ち上げた。書籍に『図解でわかる 14歳からのLGBTQ+』(太田出版)など。