「エレベーターで地震にあったら?」「ペットも避難所に連れて行っていい?」こんな時、どうしたらいいんだろう? 2月に発売された『図解でわかる 14歳からの自然災害と防災』では、日頃の備えから被災時の対応のしかたまで、身近で素朴な疑問に専門家がこたえる。Q&Aと図解イラストでやさしく解説されている本書から、一部を抜粋紹介します。今回は、被災地を支援する方法について。支援物資は、ものによって現地で喜ばれるものと困るものがあります。防災を“自分ごと”として、今一度考えてみませんか?
被災地を支援する方法は、現地に行くだけでなく、古タオルや食料を送る物的支援、寄付を行う金銭的支援、被災地を支援する団体の事務を手伝う後方支援など、多岐にわたります。現地に行かなくても、支援ができることを知っていてください。
災害が起こると、地域の社会福祉協議会が中心となって災害ボランティアセンター*1が立ち上げられます。センターが情報の拠点となり、活動が組織的に行われています。組織的とはいっても、災害ボランティアは被災者と支援者のかかわりで成り立ちます。双方にとってうれしいことがあると同時に、誤解や行き違いで困ってしまうこともあります。
*1被災地でのボランティア活動を円滑に進めるための拠点。災害時に設置される。
「誰かのお手伝いをしたい」というまっすぐな気持ちを持ちつつ、事前の情報収集をして、被災地の状況に寄りそった形で支援することを心がけましょう。
被災地でボランティア活動をするには…
個人的に行動はせず、ボランティア募集をしている団体を見つけましょう。中高生の場合はまず、自分の学校でボランティア派遣を募集しているか確認。その他「全社協被災地支援・災害ボランティア情報」のホームページなどを検索して、募集しているボランティアに自分の条件が合えば、参加できます。無理はせず、現地の情報を事前にしっかりと収集して、必要な時に必要なボランティアができるように動きましょう。
ボランティア活動保険*2
災害ボランティアを行う上で必要不可欠なのが「ボランティア活動保険」。必ず保険に加入してからボランティア活動をしましょう。
*2 日本国内における「自発的な意思により他人や社会に貢献する無償のボランティア活動」中のケガなどの補償をする保険。
全社協被災地支援・災害ボランティア情報HP
災害が起きた時に設立される、各地のボランティアセンターの最新情報がアップデートされるホームページ。
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このほか本書では、「マグニチュードと震度ってどう違うの?」「富士山って、噴火するの?」「障がいのあるきょうだいがいます」「自宅避難中に断水。トイレは?」「被災地を支援したい」など、中高生から特にリクエストの多かった質問に回答。『図解でわかる 14歳からの自然災害と防災』(社会応援ネットワーク・著、諏訪清二・監修)は、全国書店・通販サイトや電子書店で発売中。防災袋のそばに置いて、時々読み返してみては。なお、「図解でわかる~」は現在第19弾まで刊行する人気シリーズ図書。防災のほかに、ごみなどの環境問題、宇宙活動計画、LGBTQ+などを1冊1テーマに不定期刊行されています。
筆者について
全国の小中学生向けの『子ども応援便り』編集室が、2011年東日本大震災時、「メッセージ号外」を発行したのを機に設立。同時に文部科学省等から委託を受け、被災地に「子どもの心のケア」の出張授業や教職員向けの動画配布を行う。以降、全国の4、5、6年生全員に『防災手帳』を無料配布するなど、学校現場からの「今、これが必要」の声に徹底して応えるプロジェクトを展開。心のケア、防災、共生社会、SDGsの出張授業や教材作り、情報発信を続ける。コロナ禍では、「こころの健康サポート部」を立ち上げた。書籍に『図解でわかる 14歳からのLGBTQ+』(太田出版)など。