芸術家・岡本太郎は沖縄を訪れ、1961年に『忘れられた日本 沖縄文化論』を出版、「沖縄の中にこそ、失われた日本がある」と説いた。同年、奄美大島に住む作家・島尾敏雄は「ヤポネシアの根っこ」という論考を発表した。日本列島を、画一化された国民国家・日本から解放することで、もうひとつのあるべき日本を模索するという構想が、彼の「ヤポネシア」論には含まれていた。島尾の「ヤポネシア」論はいかなるプロセスを経て、縄文礼賛論と結合していったのか。縄文左派はどのように誕生したのか。
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縄文 革命とナショナリズム - 太田出版
戦後日本は何につまずき、いかなる願望を「縄文」に投影したのか。 岡本太郎が縄文を発見し、思想家、芸術家たちのなかで縄文への関心が高まった。柳宗悦ら民芸運動の巨匠...中島岳志著...
南島論の興隆
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