近年、感染症や災害などの影響でこれまで通りに通勤・通学ができない状況が続いています。このような状況になり、はじめて外出に不安を感じたという人も少なくないでしょう。それ以前に、どうして動き出せない要因が存在する場合もあります。「なんだか体が重い…」そんな時はどうしたらいいのでしょう?
9月に発売された『図解でわかる 14歳からのストレスと心のケア』(社会応援ネットワーク)では、様々なストレスに向き合い、解決に導く方法を紹介しています。ここでは、その一部を抜粋し、紹介していきます。
今回は、体が発するメッセージについて。
なんとなく不調…これは病気?
「朝、起きられない」、「学校へ行こうとすると頭やお腹が痛くなる」…。そんなときは一度毎日の生活をふり返ってみましょう。
・毎日規則正しく寝ているか?
・朝までぐっすり眠れているか?
・家庭で気になることはないか?
・学校で嫌なことがないか?
思い当たることがあれば、それがストレスとして体の変調を引き起こす原因になっているのかも知れません。たとえば、頭やお腹が痛くなるのは決まってテストや大事な発表の前だったりしませんか。「いい点がとれなかったらどうしよう」「発表で間違えたらどうしよう」など、不安や緊張が原因で頭やお腹が痛くなったり、前夜に眠れなくなったりすることがあります。ひとつの出来事がストレスとなって、次第に体に蓄積し、無意識のうちに身体が悲鳴をあげているのかもしれないのです。
心と体は深く関係しています。体が発するメッセージを正しく汲くみ取って、10秒呼吸法などのリラクセーションで心を健全に保つことが大切です。
ここで大事なことは、本当に体調が悪くなっているのかもしれないことです。自律神経の乱れから、体の中に血がいきわたらなくなり、血圧が下がったり、立ちくらみがしたり、朝起きられなくなったりすることがあります。中には起立性調節障害と診断されることもあります。年齢とともに回復していくケースが多いですが、生活をふり返っても思い当たるようなストレスがない場合は、一度医療機関に相談してみるとよいでしょう。
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本書では、他にも「悲しいニュースをみると胸が苦しくなる」「友だちに本音を話せない」「親にガミガミ言われるのがイヤ!」など、具体的な相談内容を取り上げ解説。学校の保健室や、児童相談所などにも置いていただきたい一冊となっています。『図解でわかる 14歳からのストレスと心のケア』(社会応援ネットワーク)は全国書店・通販サイトや電子書店で発売中です。図版が多くわかりやすいと好評の書籍シリーズ「図解でわかる~」は、ごみ問題、水資源、気候変動などの環境課題、地政学、資本主義、民主主義、食料問題、LGBTQ+などなど、今だから学び直しておきたいワンテーマを1冊に凝縮して3~4カ月毎に刊行されています。
筆者について
全国の小中学生向けの『子ども応援便り』編集室が、2011年東日本大震災時、「メッセージ号外」を発行したのを機に設立。同時に文部科学省等から委託を受け、被災地に「子どもの心のケア」の出張授業や教職員向けの動画配布を行う。以降、全国の4、5、6年生全員に『防災手帳』を無料配布するなど、学校現場からの「今、これが必要」の声に徹底して応えるプロジェクトを展開。心のケア、防災、共生社会、SDGsの出張授業や教材作り、情報発信を続ける。コロナ禍では、「こころの健康サポート部」を立ち上げた。書籍に『図解でわかる 14歳からのLGBTQ+』(太田出版)など。