日本で2020年7月に始まったレジ袋の有料化。約2年でマイバッグ(エコバッグ)の持ち歩くのも当たり前になってきました。でもこれ、他の先進国では何年も前から普通のこと。ごみを出さない生活を目指すにはまだまだやれることがありそうです。
『図解でわかる 14歳から知るごみゼロ社会』では、詳細なデータをもとに、現在世界が抱えるごみの問題について分かりやすく解説しています。
今回は「脱プラスチック」についての解説を一部ご紹介します。
EUは使い捨てプラスチック禁止
海洋プラスチックごみ問題の解決に向けて、世界でプラスチックを規制する動きが高まっています。特に厳しい措置をとっているのがEUです。
EUは2021年7月3日から、皿、ストロー、マドラー、カトラリーなど、海洋ごみになりやすい使い捨てプラスチック10品目の市場流通を禁止。食品用の容器包装や、プラスチックを使った釣り具や漁具、タバコのフィルターなどについても、製造した企業に、再利用やリサイクル、回収費用などに責任をもつことを求めています。
容器持参の量り売り店も
脱プラスチックは、暮らしのなかでも進行しています。レジ袋の規制やマイバッグ、マイボトルの持参は、いまでは新しい常識になりつつあります。家庭でも、従来のラップの代わりに蜜蝋ラップ、フリーザーバッグの代わりにシリコーン保存袋など、繰り返し使えるものに注目が集まり、使い捨てを改めようとする気運が高まっています。
ヨーロッパや北米の都市部では、「バルクショップ」と呼ばれる量り売り店も登場。食品や洗剤などを必要な分だけ買い、持参した容器に入れて持ち帰るシステムが、プラごみを減らしたいと考える人々に広く受け入れられています。ほかにも、店内の内装や備品にプラスチック素材を使わない、ガラス瓶や生分解性素材の包装を使った商品や繰り返し使える容器だけを扱う、など、プラスチックフリー(プラスチック不使用)のショップやカフェが次々誕生し、暮らしの*ゼロ・ウェイストを後押ししています。
*ゼロ・ウェイスト…単にごみをゼロにすることではなく、ごみを燃やさず、埋め立てず、できる限り再資源化し、環境に負荷を与えない形で、ごみや無駄をゼロにする、という考え方
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本書では、人々の文化の発展とごみの歴史、今考えるべきごみの問題、そしてこれからの課題についてわかりやすく解説しています。『図解でわかる 14歳から知るごみゼロ社会』(インフォビジュアル研究所)は全国書店・通販サイトや電子書店で発売中です。「図解でわかる14歳からの」シリーズは、現在第19弾まで刊行されている人気書籍です。ごみ問題のほか、水資源、気候変動などの環境課題、地政学、資本主義、宇宙開発、食料問題、LGBTQ+、防災などなど、今だから学び直しておきたいワンテーマを1冊に凝縮して3~4カ月毎に刊行されています。
筆者について
2007年より代表の大嶋賢洋を中心に、編集、デザイン、CGスタッフにより活動を開始。ビジュアル・コンテンツを制作・出版。主な作品に『イラスト図解 イスラム世界』(日東書院本社)、『超図解 一番わかりやすいキリスト教入門』(東洋経済新報社)、「図解でわかる」シリーズ『ホモ・サピエンスの秘密』『14歳からのお金の説明書』『14歳から知っておきたいAI』『14歳からの天皇と皇室入門』『14歳から知る人類の脳科学、その現在と未来』『14歳からの地政学』『14歳からのプラスチックと環境問題』『14歳からの水と環境問題』『14歳から知る気候変動』『14歳から考える資本主義』『14歳から知る食べ物と人類の1万年史』『14歳からの脱炭素社会』『14歳からの宇宙活動計画』(いずれも太田出版)などがある。