自分を捨てる旅
第20回

今日もどこかでクソ面倒な仕事を

暮らし
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今年の冬ふと出かけた須磨の海で、思いがけない出会いがあった。その後もふたりとは何度か、それほど長くはない時間を一緒に過ごした。これからも頻繁に連絡を取り合うことはないと思うが、須磨の海を見るたびにきっと彼らのことを思い出すだろう。

2月のある日曜日、私は明石にいた

電車の窓から久々に須磨の海を見た。私はJRの新快速に乗って大阪から朝霧駅に向かっている途中で、須磨駅のあたりで窓の外に海が見えるのは知っているので、少し前から窓の近くに立って待っていた。

神戸に近づくにつれて上空の雲が分厚くなっていくのを感じて、家を出る前にテレビで見た天気予報で「時おり激しい雨が降るおそれがあります」と言っていたから、「やっぱり」と思ったのだが、海辺が雨で濡れているのがわかった。それほど大きな雨粒ではなさそうだが、白い糸のように斜めに降り注いでいる。

遠くの空は明るいからきっと通り雨なのだろう。砂浜にいる水着姿の人たちもそれを知っているのか、少なくとも私の視界に入った数人はむしろその雨をシャワーのように楽しんでいるかに見えた。8月の須磨の海辺には、お祭りの屋台を模した小屋が建っていて、夕方の雨のなかでも華やかな光を放っている。

この砂浜でジョンとマイクと出会ってからまだそれほどの月日が経ったわけでもないことが不思議に思える。天気のいい日だったが、日中でもまだ寒くて、私はフリースを着ていた。

2月のある日曜日、私は明石にいた。明石駅近くにある「江洋軒」という老舗の中華料理店のことが以前から気になっていて、ふと思い立って食べに来たのだった。店主がビートルズ好きで、店内にはいつでもビートルズの楽曲が流れているらしい。

明石駅近くの「江洋軒」

私が入ったときは「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」が控えめな音量で響いていて、人懐っこい味わいの中華そばを箸でたぐり、グラスのビールを飲みながらそれを聴いていた。

お客さんの多くはこの中華そばともうひとつの名物である焼きそばを両方食べていた

いい気分で店を出てそのまま港のほうまで歩き、さてこれからどう過ごそうかと考える。夕方までには家に戻って仕事に取り掛からなければと思うが、まだそれまで数時間の猶予がある。須磨まで引き返し、砂浜で缶チューハイでも飲むか。

スマホを開き、そういえばHさんから連絡が来ていたのを思い出す。Hさんと、もうひとり、よく一緒に酒を飲むYさんと私の3人でバンドを組んでいて、といっても何年も前に1回、一緒にスタジオに入って2時間ほど適当に音を出しただけなのだが、それでも一応バンドということになっている。

その3人あてにメッセージが同時に送れるグループが作ってあって、Hさんから「今日、みんなでスタジオ入らないっすか!」と数時間前にメッセージが来ていたのだが、私もYさんもそれに返事をしていなかった。そこで私は「スタジオは入れないのですが今から須磨の海辺で飲みませんか」と返してみた。そんなことを急に言ったところで相手も面倒だろう。返事が来るわけもないと思ってスマホをズボンのポケットにしまい、明石駅へ向かって歩き出した。しかし意外にもすぐにスマホが振動し、「いいっすね! 少し時間かかるけど行きます!」とHさんから返信があった。さらに少し遅れてYさんからも「僕も行きます!」とメッセージが届いた。

私がいちばん先に須磨駅に到着し、急に連絡したにしては案外すぐにHさんが来て、それからほどなくしてYさんも駅前に姿を見せた。「天気最高っすね! 海最高!」とはしゃいでいるHさんを「ははは」と笑いながら、海と反対側に向かう駅の階段を降り、「コペンハーゲン」というホットドッグ屋へ向かう。

デンマーク生まれの店主がいつも賑やかに話しかけてくれる店で、その店主がB‘zに縁があるために、B’zファンが集う店にもなっている。B’zのメンバーである稲葉浩志、松本孝弘にちなんだメニューもあって、それを買って海辺で食べようと話していた。

「イナバドッグ」は400円

ホットドッグの入ったビニール袋を片手に、駅へ戻り、改札そばのコンビニで酒を買って、いよいよ海側の階段を降りる。砂浜と歩道との境に設けられた段差に腰かけ、海を見ながら心地いい時間を過ごした。

海辺で食べるホットドッグは格別だ

「人生に色々なことが起きる、でも、So it goes.」

するとしばらくして、私たち3人が座っているところに人が近づいてきた。「こんにちは」「こんにちは」「あの、私は、今、アメリカから日本に来ています。日本語を勉強しています。もし、よければ、日本語で少しお話ししていいですか」「えー、そうなんですか。いいですよ」「もうひとり、向こうに友達がいます。呼んでいいですか」「はい」というようなやり取りがあって、一度海の方に向かって歩いていったその人が、今度はふたり連れになってこちらに近づいてくる。

最初に声をかけてきた人がジョン、もうひとりがマイクという名だという。ジョンとマイクという耳馴染みのいい名のふたりが、日本語の勉強をしている……これは詐欺か何かかもしれないとも一瞬思ったが、こちらは3人いるし、そのジョンとマイクもなんだかいいやつらそうに見えた。

ふたりは語学留学生という立場で短期的に日本に滞在して学んでいるんだという。こういう場で構えずに会話するのが何より日本語の練習にもなるらしく、「じゃあ飲み物を買いに行こう」と、みんなで駅のコンビニへ向かう。ジョンとマイクはハイボールを買い、私たちもチューハイなど買い足し、もう一度海へ。

向かって右がジョン、左がマイク

ふたりはアメリカのイリノイ州から来ているという。ふたりともまだ20代の前半。神戸の大学に学びに来ていて、ホストファミリーの家に滞在しながら学校へ通っているらしい。「へー、イリノイ州か。聞いたことはあるけど、どこだかわからない」「イリノイ州、わからない? シカゴが大きい町です」「シカゴがあるところなんだ! シカゴはわかります」

Hさんが言う。「いやー、アメリカかー! すっげー! アメリカ。アイライクアメリカ。ミスタービッグ。ガンズアンドローゼス。ニルヴァーナ。すごい好き」それに対してジョン。「おお、ニルヴァーナ。ああ、いいよね」

そんなふうにHさんとジョン、マイクがお互いの好きなものを伝え合って、それでわかったことだが、ふたりは幼い頃から日本のゲームが好きですごく影響を受けたそうだ。アメリカ版のスーパーファミコンとされる「SNES」というハードで、よく日本のゲームをプレイしていたという。Yさんが「『MOTHER』は好き?」と聞くと「おおー! 『MOTHER』、最高だね。グラフィックも、あと音楽も好き。とにかく音楽が最高に好き!」と、マイクが目を輝かせた。私は『MOTHER』のサウンドトラックをフル収録したYouTube動画をスマホで再生する。「そうそう! これ、最高だよね」と言い合いながら、それぞれがそれぞれのタイミングで酒の入った缶を手に取り、傾ける。

それぞれが好きなゲームを発表し合ったりした

「ジョンとマイクはたまに神戸で飲んだりもするの?」「うん。飲み会のときは、三ノ宮で飲むことが多い」「そうなんだね。ふたりはいつまで日本にいるの?」「帰る時期はちょっと違うけど、ふたりとも5月まではいる」「そうか。じゃあ今度は三ノ宮で飲もう」「いいね。そうしたい。LINEやってる?」「うん、やってるよ」

LINEグループを作り、また飲みに行こうと話した。日が傾いてきた17時頃、駅前でジョンとマイクと別れた。

それから1か月後、3月の中旬になって、ジョンとマイクと、三ノ宮駅前で再会した。私がひと足先に待ち合わせ場所に着き、ふたりを連れて中華料理店へ入っておく。HさんとYさんは仕事が終わり次第合流する予定になっている。海で会ったときよりもジョンもマイクも心なしかおしゃれな服を着ているように見え、私は少し緊張した。

約束通り、三ノ宮で飲むことになった

ジョンが私に聞く。「宿題を、される? うーん、なんて言いますか?」「宿題を、する?」「OK。宿題を、する。勉強を、する。勉強する? 勉強される?」「いや、されるじゃなくて、勉強するって言う」「うーん、難しい。うーん」と、ジョンはマイクよりも少しまだ日本語がうまく話せないようで、それでも英語の全然できない私と十分会話が成り立つのだから相当なものだが、でも自分の思いがスムーズに伝えられないことがもどかしいときがあるようだった。ジョンは諦めたようにマイクとの英語での気兼ねない会話に戻り、私はふたりが何を話しているかさえわからず、仕方なく店の料理のメニューをじっと見たりするのだった。

それぞれが生ビールを1回ずつおかわりし、運ばれて来た料理を2皿ほど食べ終えたところでHさんが来た。この日のために梅田のニンテンドーショップでふたりにお土産を買ってきたそうで、「わあー! 本当に⁉」と、ふたりとも大喜びしている。Yさんも無事合流し、改めて再開を祝してみんなで乾杯をして、どんな流れでだったが、文学の話になった。

ジョンはカート・ヴォネガットの小説が好きなのだという。カート・ヴォネガットの小説には「So it goes.」というセンテンスが何度も登場するそうで、ジョンはその言葉がすごく好きらしい。一回では聞き取れなかった私が「ん? ソィゴー?」とわからずにいると、「えーとスマホ貸して、こう書く。So it goes.」

ジョンの口癖になっているという言葉

「あー。ソウイットゴーズ」「いつも私はこの言葉を、何かあると言う。嫌なことがあった時、So it goes. So it goes.と言う。彼女とデート、フラれたらSo it goes.」「どんな感じのニュアンスだろう、日本語だったら」「えーと、そのように、なる?」「ああ、なるようになる」「そうそうそう! 仕方ない。なるようになる」「へー。いいね。覚えておく」「人生に色々なことが起きる、でも、So it goes.」

22時過ぎに中華料理店を出て、「どうする? もう一軒」と言ってみたが、マイクは「明日デートで早いから、帰る」と、ジョンは「これから女の友達のいるに店に行く」と、それぞれ帰っていった。「あのふたり、モテるんすね」と言いながら、HさんとYさんと、「ハーフタイム」というバーに寄って帰ることにした。

須磨に来るたびにふたりの姿が脳裏に浮かぶだろう

「今度は花見でもしようよ」と話していた私たちだったが、その後、ジョンもマイクも学業で忙しくなり、桜の季節はあっという間に去ってしまった。しばらくメッセージのやり取りのなくなったLINEグループに動きがあったのは5月のことで、「もうすぐマイクがアメリカに帰るからもう一度飲もう」と、ジョンから連絡が来た。

それで5月の中頃、夜の三ノ宮駅前で再びジョンとマイクと待ち合わせた。ふたりともタイ料理が好きだというので高架下に見つけたタイ料理屋へ入り、メニューにあったタイの缶ビールを注文した。

例のごとくHさんとYさんは仕事が終わってからの参加となり、私とジョンとマイクと三人で、前回会ってから今までのことを話し合った。「前回はそうだ、マイクが明日デートだからって早く帰っていって」「そうそうそう! あのあと、ひどい。デート、急にキャンセルされた」「えー、そうなの」「やっぱり、ガールフレンドも私が、もうすぐアメリカに帰るから、それを知っているから、あまり仲良くなりたくないと思う」「ああー。そうなのか」「ジョンも、少しそれと同じ。仲がいいガールフレンドがいても、真剣にできない」と、帰国が近いふたりは少し寂しそうな顔をするのだった。

この日は水曜日だったのだが、聞くところによると、マイクはもう次の月曜日から就職先で仕事を始めるんだという。私が驚いて「え! 月曜からもう仕事? それはどんな仕事?」と聞くと、マイクは「うーん。エンジニアの仕事かな。コンピューターの」「プログラミングとか?」「そうそう」「それはイリノイ州で?」「そうそう。仕事は自分の家で、オンラインでできる」「そうなんだ。もう、本当に何日かしたらすぐ仕事なんだね」「すごくそれは、嫌。日本から帰るのも寂しいし、仕事も、あんまり楽しくはないと思う。ちょっと、クソな仕事」「そうか。仕事は嫌だよねー。でも日本は楽しかったんだね」「そう。すごく楽しかった。ホストファミリーのおうちがすごくいい人で、すごくよかったんだよね。ホストファミリーのお父さんがお酒好きだから、今日はウイスキーをお礼に買った。結構高いのにした」

プレゼント用に買ったウイスキーを見せてくれたマイク

「ジョンももうすぐ帰るの?」「来週だから、今は荷物を片付けしてる。すごくナーバス。寂しい気持ちで、詩を書いてる」「詩? ポエム?」「そうそう」「どんな詩?」「OK。待って今見せる」

ジョンがノートに書いている詩を見せてくれた

「写真に撮って、あとで意味を調べてみていい?」「いいよ」「何についての詩なの?」「恋人のこと。ちょっと寂しい」「へー、そうなのか」と、そんなところにHさんが合流し、Yさんも来た。

改めてみんながそれぞれ飲み物を注文して乾杯したあと、Yさんが箸袋を器用に折りたたんで箸置きを作ったのを見てジョンが「わお!」と声を出す。「これはどうやる? すごいね。教えて」「いいよ。覚えて帰って」と、Yさんが折り方をいちからレクチャーして、ジョンも箸置きを作ることができた。

みんなで箸置きを作った

「マイクはもう来週から仕事なんだって」と遅れてきたHさんとYさんに私が言い、「仕事、嫌だよねーっ!」とHさんがマイクを見る。「日本が楽しかったから、仕事が始まるのはとても気持ちが落ち込む」とマイクがまた悲しそうな顔をして、「また日本に来たら乾杯しようぜ! 来るでしょ?」とHさんが言う。「すぐかはわからないけどまた来たいと思う」とマイクが言い、ジョンと顔を見合わせた。

「これのこと、『ビアミッド』と言う。ビールのピラミッド。パーティーで、みんなでたくさん飲んだら、大きいビアミッドができる」とジョン。「あービアね。ビアミッド」「そうそう」「いいね。もっと飲んだら大きくできるね」「飲もう」

この日の私たちが空き缶で作った「ビアミッド」

それからもう少しその店にいて、最後に、店員さんにお願いして記念写真を撮ってもらった。駅前で「また会おうね」「仕事がんばってね」と言って別れた。海辺で偶然出会って、お互いのことを少しだけ話し合い、とはいえ、それほど長い時間を過ごしたわけでもない私たちだった。このふとした出会いによって人生が変わるわけでもないし、これから頻繁に連絡を取り合っていくということもきっとないだろう。

それでも電車の窓から久々に須磨の海が見えたら、私はジョンとマイクが現れたときのことを思い出しているし、これからも須磨に来るたびにふたりの姿が脳裏に浮かぶだろう。もう、ジョンとマイクを思い出さずには須磨の海を眺められなくなってしまった。それはなんとも不思議で、少し愉快なことでもある。

その晩、帰宅した私はパソコンを開き、「好きな音楽を教えて」と私が質問したときにジョンがしばらく考え込んだ末に答えてくれた『UNDERTALE』というゲームのサウンドトラックを再生した。

スーパーファミコンのさらに前の時代の、ファミコン的な8ビットサウンドが部屋に流れる。物悲しいような、チープで可愛くて笑えるような、愛らしい音楽。それを聴きながら、行ったこともないイリノイ州のどこかでクソな仕事をしているジョンとマイクの姿を想像する。

愛嬌のあるふたりだったし、ジョンは「日本語テストの点数がひど過ぎた」と落ち込んでいたけど、ふたりとも勉強熱心だったし、なんだかんだで、きっとうまくやっていくはず。こっちはこっちで、クソな仕事をしながら、だいたい憂鬱でときどき楽しい毎日を送っていくよ。あのとき、声をかけてくれてありがとう。

*     *     *

スズキナオ『自分を捨てる旅』次回第21回は、2023年9月8日(金)17時配信予定です。

筆者について

スズキナオ

1979年東京生まれ、大阪在住のフリーライター。WEBサイト『デイリーポータルZ』、『集英社新書プラス』、月刊誌『小説新潮』などを中心に執筆中。著書に『深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと』、『酒ともやしと横になる私』、『関西酒場のろのろ日記』、『遅く起きた日曜日にいつもの自分じゃないほうを選ぶ』、『「それから」の大阪』、パリッコとの共著に『酒の穴』、『椅子さえあればどこでも酒場 チェアリング入門』、『“よむ”お酒』、『のみタイム 1杯目 家飲みを楽しむ100のアイデア』がある。

  1. 第1回 : 蔵前のマクドナルドから
  2. 第2回 : 上を向いて有馬温泉を歩く
  3. 第3回 : つながっている向こうの場所で
  4. 第4回 : 敦賀の砂浜で寝転ぶ
  5. 第5回 : 家から歩いて5分の旅館に泊まる
  6. 第6回 : 煙突の先の煙を眺めた日
  7. 第7回 : 犬鳴山のお利口な犬と猫
  8. 第8回 : 暑い尾道で魚の骨をしゃぶる
  9. 第9回 : 湖の向こうに稲光を見た
  10. 第10回 : 枝豆とミニトマトと中華そばと
  11. 第11回 : あのとき、できなかったこと
  12. 第12回 : いきなり現れた白い砂浜
  13. 第13回 : 予備校の先まで歩くときがくる
  14. 第14回 : “同行二人”を思いながら野川を歩く
  15. 第15回 : 米子、怠惰への賛歌
  16. 第16回 : 生きなきゃいけない熊本
  17. 第17回 : 和歌山と姫路、近いけど知らないことばかりの町
  18. 第18回 : 幸福な四ツ手網小屋と眠れない私
  19. 第19回 : 熱海 夜の先の温泉玉子
  20. 第20回 : 今日もどこかでクソ面倒な仕事を
  21. 第21回 : 海を渡って刺し盛りを食べる
  22. 第22回 : 城崎温泉の帰りに読んだ『城の崎にて』
  23. 第23回 : 寝過ごした友人がたどり着いた野洲駅へ、あえて行く
  24. 最終回 : 秩父で同じ鳥に会う
連載「自分を捨てる旅」
  1. 第1回 : 蔵前のマクドナルドから
  2. 第2回 : 上を向いて有馬温泉を歩く
  3. 第3回 : つながっている向こうの場所で
  4. 第4回 : 敦賀の砂浜で寝転ぶ
  5. 第5回 : 家から歩いて5分の旅館に泊まる
  6. 第6回 : 煙突の先の煙を眺めた日
  7. 第7回 : 犬鳴山のお利口な犬と猫
  8. 第8回 : 暑い尾道で魚の骨をしゃぶる
  9. 第9回 : 湖の向こうに稲光を見た
  10. 第10回 : 枝豆とミニトマトと中華そばと
  11. 第11回 : あのとき、できなかったこと
  12. 第12回 : いきなり現れた白い砂浜
  13. 第13回 : 予備校の先まで歩くときがくる
  14. 第14回 : “同行二人”を思いながら野川を歩く
  15. 第15回 : 米子、怠惰への賛歌
  16. 第16回 : 生きなきゃいけない熊本
  17. 第17回 : 和歌山と姫路、近いけど知らないことばかりの町
  18. 第18回 : 幸福な四ツ手網小屋と眠れない私
  19. 第19回 : 熱海 夜の先の温泉玉子
  20. 第20回 : 今日もどこかでクソ面倒な仕事を
  21. 第21回 : 海を渡って刺し盛りを食べる
  22. 第22回 : 城崎温泉の帰りに読んだ『城の崎にて』
  23. 第23回 : 寝過ごした友人がたどり着いた野洲駅へ、あえて行く
  24. 最終回 : 秩父で同じ鳥に会う
  25. 連載「自分を捨てる旅」記事一覧
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